カサゴの仲間3 <千葉のダイビングポイントで見られる水中生物>
ホウボウ
レア度★★★★☆
分類 カサゴ目-ホウボウ科-ホウボウ属
伊豆エリアでは通年見られる普通種であるが、関東エリア・特に勝浦ではかなり稀種で、年に数匹レベル、しかも成魚はほぼ現れずに幼魚のみ現れるため、レア度は★4とした。
伊豆エリアでは基本的に砂地で見かけることが多いが、勝浦には伊豆エリアのような砂地があまりないため数が少ないのだと思う。
胸ビレの下部にある棘条が3対あり、脚のように使って歩く。ただ歩いているだけではなく、棘条を砂に刺しながら、エサを探しながら歩いているようで、エサを見つけると棘条を使って掘り始める。
大きくて丸い胸ビレが特徴で、縁どりは青く、内側は鮮やかな青緑色、青くて小さい斑点がある。泳いで移動する時には胸ビレを翼のように広げて滑空するように泳ぐ。また、敵を脅かすフラッシング という行動にも使う。
もう1つ大きな特徴は、特殊な構造になっている浮き袋で音を発することである。産卵期に、ホウボウが群れている場面に遭遇すれば音を聞けることが多いが、それ以外のシーズンに単体でいる場合にはあまり音は鳴らさないようだ。
セレベスゴチ
レア度★★☆☆☆
分類 カサゴ目-コチ科-クロシマゴチ属
勝浦では、コチの仲間の中で1番多く見かける。
眼の虹彩皮膜(こうさいひまく・人間のまぶたにあたる部分に膜がある)の上片は複雑な形状でオニゴチと似ているが、下片が単峰であることや、眼の上の皮弁などから判断する。
アナハゼ
レア度★☆☆☆☆
分類 カサゴ目-カジカ科-アナハゼ属
通年見られる普通種。名前だけ聞くと間違いやすいがハゼの仲間ではない。
大きな特徴として「交尾をする」ということがあげられる。オスは肛門付近に大きな生殖突起を持っており、メスは産卵する為の輸卵管を体内に格納している。
一般的な受精方法ではなく、オスが生殖突起をメスの体内へ刺しこみ交尾が行われるという、魚の中ではかなり珍しいタイプの繁殖行動である。
体色は黄色や褐色、青緑っぽい色など様々で、斑紋もある個体とない個体がいるなど、変異が激しい。
体に対してかなり大きいだろうと思う魚でも丸呑みをしてしまう。お腹がとても軟らかく、捕食直後はお腹がパンパンに膨らんでいる。
ダンゴウオ
レア度★★★☆☆
分類 カサゴ目-ダンゴウオ科-ダンゴウオ属
冬になると現れる、アイドル的な人気がある種。体の色は赤が多いが、緑やピンク、黒っぽい個体もいる。勝浦で見られるのはほぼ赤で、他の色はピンクっぽいのが過去に数匹(覚えている限りでは3匹)、緑色は1匹だけ、、赤率が99%くらい。
体長は大きくても5センチ程度までしかならず、産まれたての幼魚は2~3ミリ程度の状態で発見される。
基本的に寒い海域を好むため、分布は東北地方など北方に多い。生態についてはまだわかっていない部分が多く、勝浦をはじめ関東エリアや伊豆エリアで見られる個体は↓
①「東北地方で産まれた個体が親潮に乗せられてやってきてしまった」という説(南の海から流されてくるカラフルな季節来遊種たちの逆バージョン)
と、
②「普段から水深が深く水が冷たいエリアに棲息しており産卵期になるとダイビングで見かけるような浅いエリアに上がってくる」という説
があるが、、かめはうすとしては①であると考えている。なぜなら、他の生物で北の海からやってきたであろう種がたくさんいること(例えばウミウシの仲間たち)と、深い水深から上がってくる説の場合、遠浅である勝浦の海ではかなり長い距離を移動しなければならず、ダンゴウオにそれが可能であると思えない、から。
だが・・・、真相はいかに。。
幼魚は「天使の輪」と呼ばれる模様が付いている。
ピンクの個体↓
緑の個体↓
動画↓
スナビクニン
レア度★★★☆☆
分類 カサゴ目-クサウオ科-クサウオ属
毎年春ころ見られる種で、ワカメのめかぶの中に隠れている。それ以外の季節はどこで生活をしているのか・・・、まだナゾの多い生物。
図鑑等によると体長は大きいものでは10センチ程度になるそうだが、勝浦で見られるのはせいぜい1センチ程度の個体ばかり。いつも見ているのはまだ産まれたばかりの幼魚というコトなのだろうが、大きい個体は見たことがない。
カラーバリエーションは豊富で、黄色やオレンジ、黒っぽい個体もいる。模様も、しま模様や水玉模様などさまざま。
※レア度は千葉県勝浦市のダイビングポイントでのもので、管理人の主観によります。