若狭 10 鯖街道
ひさしぶりに若狭の続きです。
前回は後瀬山について書きましたが、
続いて鯖街道について書いていきます。
「鯖」です。
ここ小浜が鯖街道の起点です。
そもそも御食国ですから、
鯖街道と呼ばれるようになる、
そのはるか以前から、
小浜は海の玄関口でした。
そして国内はもちろん、海外からも、
さまざまなものが小浜を経て、奈良や京の都に運ばれました。
あらためて後日ふれますが、
仏教といった舶来の思想もここから日本に入ってきました。
仏像をはじめとした仏具・仏教美術などが小浜から都へ運ばれました。
若狭には佛多くて蒸鰈 森澄雄
という有名な句がありますが、
このあたりに由緒ある寺院が多い理由はそこにあるのです。
たまたま鯖が代表的なものだったので、
鯖街道と名付けられていますが、
鯖だけでなく、
時代ごとの最新の文明、思想、モノが、
ここ小浜に入り、
小浜から都へと運ばれたのです。
小浜には「鯖街道ミュージアム」があります。
かつて小浜では豊富に鯖が獲れました。
獲れた鯖をここで塩漬けにして都まで運びました。
ちなみに鯖街道ミュージアムでは「鯖を運ぶ人」になることが出来ます。
リアルな重さを体験できます。
鯖街道といっても道は一つではありません。
ルートがいくつかあります。
(画像はwikipediaより)
遠回りですが、道が険しくなく、大量に運ぶことができる「若狭街道」、
険路ですが最短で行ける「針畑越」などが代表的です。
ちなみに針畑越で行けば一日半で京の都に至るとのこと。
小浜で一塩した鯖が、洛中に着く頃には、ほどよく塩が馴染んでいたそうです。
輸送は一人で運ぶわけではなく、リレー方式で運びました。
今回、針畑峠の近くまで行ってきましたので、
また後日ご紹介します。
鯖街道ミュージアム近くの加福鮮魚店。
とても立派な鯵です。
近年、鯖はなかなか獲れなくなっており、残念ながら店頭にはありませんでした。
代わりに盛んになっているのが養殖です。
酒粕を餌として与えていることから「よっぱらいサバ」と名付けられました。
酒粕を与えると不思議なことに臭みがなくなるのです。
小浜が誇るブランド鯖になっています。
アニサキスの心配がなく、生食できます。
「濱の四季」@小浜
鯖好きの人はもちろん、鯖が苦手な人も美味しさに驚くはずです。
小浜にお立ち寄りの際は、ぜひご賞味ください。