何を考えて。
この大雨で店が雨漏りして少しだけ困っている空井戸サイクルです。
「少しだけ」というのは無茶苦茶困っている訳ではなく嫌だなぁという程度、という意味で、
室内が濡れようがカビ生えん内に乾いてくれりゃ、まぁ別に良いかってな話。
対して本日まな板に乗る車両はオーナーを大層困らせる問題児。
ディレーラーハンガーの取り付け穴がバカになったという事で対処をせねばならんのですが、
ハンガーの形状というか・・・穴の位置が「何でそこやねん!」という変な位置。
普通はこの穴を広げて「ドロップアウトセーバー」なる修理具を突っ込んで穴復活、というの流れになりますが、
穴がこんなに際々まで寄っているとなると穴を広げる余地が無いのでマイッチング。
パッと考えつく一番簡単な修理方法はエンドをブッた切って、鉄板で拵えた別のエンドを継ぐという方法。
でも此方はオーナーのメインバイクではなく近所のお買い物号という事なので、
もっと簡単にパパっと出来る対処は無いもんかねぇ、と考えつつ捏ね繰り回す。
穴位置が変なのもそうですか、エンド部材が異様に薄いのもまた変。
で、薄い分だけディレーラーの取り付けボルトは内側に飛び出しています。
「此処にナット喰わしてダブルナットにするってのは・・・ありじゃねぇか?」という事で薄いナットを探す。
しかしディレーラのネジは10mmの1.0ピッチという少しマイナーな規格ですから、丁度良い薄ナットなど。
あった。
灯台下暗し、物凄く身近な所に良い塩梅のナットがあったりしました。
その後、削ったり曲げたりどついたり拝んだりといった紆余曲折を経て何とかギリギリ装着完了。
しかしこのエンドを設計した人物は何を考えてこんな形状にしたのでしょう?
とうの昔にブランド自体消滅しているので、今となっては知る由もありません。
そしていつの日か、遠いいつの日かこの車両を修理する事になる自分以外の人は、
「何を考えてこんな所がこんな事になってんにゃろ?」と思うかもしれませんが、
バラす事でオッサンの狙いが伝わるといいなぁ、なんてタイムカプセルちっくな事を思ったりします。