日本漫画のルーツ? 究極のエンターテインメント 「国宝 鳥獣人物戯画」(鳥羽僧正 作 12〜13世紀)
(「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2014.10.25&11.1>解説より引用)
この作品。高校の歴史の教科書の、カラーグラビアページなどで、観た覚えのある人は多いのではないか。
高山寺の石水院蔵。作者は、鳥羽僧正 覚猷(とばそうじょう かくゆう 1053~1140)とされているが、実際のところは謎である。蛙や兎の動物が、人間の姿で登場したかと思えば、空想上の動物なども描かれている。
まさに、自由奔放に、何ものにも拘束されることなく、一貫してのびのびと、生き生きと、そしてユーモラスたっぷりに描かれている。
それでは、一体この作品、一体誰のために、何のために描かれたのか・・・
ファンタジー包まれる謎だらけの4巻(甲・乙・丙・丁)からなる絵巻物。
当時の仏教関係の絵師が、余技的に、プライベートに描いて、仲間内で観て楽しんでいたのでは・・という説が有力であるが・・・
(番組を視聴しての私の感想綴り)
それにしても、今から900年も前の時代に、これだけのエンターテインメント性豊かな作品が、存在していたこと自体驚きである。
あの天才漫画家、手塚 治氏にして「やられた。もはや脱帽である」と言わしめるくらい、その想像力というか、自由奔放な世界観、自然観、構想感といったものに、脱帽なのであろう。
「日本のアニメ」は、いまやクールジャパンの代名詞といってもいいくらいに、世界から数多くのアニメファンが誕生していて、インバウンドのけん引役になってもいる。
コスプレにみられるようなアニメ、サブカルチャーは、一大産業(商圏)を形成しているといってもいいだろう。
もはや学生時代には、単に「面白い絵」として済ませてしまっていた「鳥獣人物戯画」であるが、改めて見返すに、「漫画アニメの原点」、そして、「ユーモアの源泉」ここにありといった風で、堂々としているではないか。
やはり脱帽である・・・
写真: 「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2014.10.25&11.1>より転載。同視聴者センターより許諾済。