SIMEON
「SIMEON」を観てきました。
振付:Kalpana Raghuraman
出演:KalpanArts(ダンス)、Matangi String Quartet(音楽)
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「SIMEON」とは、オランダの現代作曲家Simeon ten Holtさんに捧げられた作品だそうです。現代社会における個と集合体をテーマに、コンテンポラリーダンスとバラタナーティヤムの融合が、カルテットにのせて踊られていました。
開演前のアナウンスで、「ナレティヴな作品ではないので、見て感じてください」とあった通り、ダンスと音楽だけで、テーマが非常に分かり易く表現されていました。
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前半は、女性3人のダンサーとカルテットで、個を意識した表現。そして後半は女性3人+男性2人のダンサーとカルテット。同じ動きの繰り返しの中に、アルゴリズムっぽい感じで、少しずつ変化を加えて、「individual」、「group」が見て感じ取れました。
振付とダンスが、違和感なくとても自然に見えたのは、それぞれ古典もコンテンポラリーも踊れるダンサーだからだと思います。そして、全体を通して、カンド・ジャーティー(五連符)をベースに、トリッキーなタールが流れているのです。それも弦楽器のみでそれをキープしているという…。何度も繰り返されるモティーフも、単純なようで複雑。さすがバラタナーティヤムの基礎がある方がたによる振付とパフォーマンスだなと思いました。
これまでに拝見したコンテンポラリーと古典の融合でいいなと思えるものがあまりなかったので、こういった舞台は正直苦手でしたが、「SIMEON」は私のそんな苦手意識を開演1分以内に打ち砕きました。こういうのだったら、もっと観たいです♡
出演者の一人、スーラジ・スブラマニアム君は、バラタナーティヤム・オディッスィー・コンテンポラリー・カタック舞踊家で、私のロンドン時代の友人の一人です。面白いバックグラウンドを持つ彼のお誘いで、今回の舞台を観に行くことができました。もともと彼のファンでしたが、この舞台で益々彼の魅力に惹きつけられました。ありがとうございました。