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KAWASAKI GPz250R/ 250CS 1985

2018.07.08 07:55

KAWASAKI GPz250R 1985

 他社がレプリカに傾向する中にあって、カワサキは頑固なまでの拘りを持っていた。常用範囲を逸したスペックに仕上げることではなく、楽しめるオートバイ造りがコンセプトにあった。それは、昔のカワサキの印象からすれば、かなり真面目に思えるものだ。それだけに、一部の熱狂的なカワサキファンには物足りないものであったかも知れない。そして、250ccのロードスポーツモデルが、どの様な使われ方で存在するのか、理想的造り上げた結果がGPZ250 Rだった。45psの出力規制値に若干欠ける43ps/13,000rpm。それを、ライバルとなる4気筒モデルと匹敵し得るだけの高性能DOHCツイン4バルブで稼ぎ出している。各バルブに1個の超小型軽量のアンダーフロア型ロッカーアームで支持。突き詰めた軽量パーツの構成でフリクションロスの低減が図られ、14,000rpmをクリアする高回転型のパワーユニットに仕上げられている。レブリミッターの制御を外せば15,000rpmをも可能とするものだ。無論、このパワーユニットがそれほどハイパフォーマンスを求める向きに仕上げられている訳でもない。活発な出力を得るには、8,000rpm〜12,000rpmがベストな領域である。ツインとはいえ、出力特性は4気筒並で、極低速域から活発な動力性能が発揮されるものではなく、低速域ではツインなりの粘り強さを感じる程度。但し、鋭いスロットルレスポンスのお蔭で、タイムラグもなく高回転域まで一気に吹け上がる。フレキシブルさでいうならばピカイチの出力特性が与えられている。フレームは、単体で僅か10.2kgと言う軽量のパイプ製ダイヤモンドタイプ。 3スポーク部を中空とした凝った造りのキャストホイール。革新的とも言えるフォルムも138kgの乾燥重量で仕上げられている。この軽量な車体と、前後16インチタイヤの採用で、タイトコーナーは特異中の特異。スロットルOFFで若干の切れ込みがあるも、スロットル0Nにもアンダーステアの傾向は表れ難く、コントロール性は非常に高い。ただし、コーナーリング中のスロットルのON/OFFは当然のこと避け、基本的なアプローチを心掛ける様にしたい。サスペンションは、フロントがややダンパーがハードな印象で、リアはソフトなセッティング。バランスも良く、通常の走行では何ら疑問は生じない。発売当時は革新的或いは未来派と評されたフォルムも、今は洗練された落ち着きにも映る、都会派のオシャレなモデルだ。ボディ—カラーバリエーションは、白/黒/赤/銀の4色。シート&ニーグリップカバーのカラーが、白/黒/赤/黄の4色。それぞれをコーディネートすることで16通りのパターンが選択出来た。僅か一年余りで生産を停止させてしまった。


KAWASAKI K250 CS 1985

 CS(Casual Sports )という名称を与えられた、カワサキとしては数少ない4サイクル単気筒ロードスポーツモデル。先々代ともなるカワサキ250メグロSGT(1964y) に始まり、Z200(1977y)、Z250 FS(1982y) と数え切れるだけのものでしかない。あまり積極的でない_竄ニ言えばそれまででもある。が、オーバーなデコレーションはなくとも、それだけに真面目に取り組んでいるようにも思える。虚飾を払い、スタンダードモデルに徹しながら、実益の高いモデルに仕上げている。パワーユニットは、2軸バランサーを用いた水冷DOHC 4バルブ。KL250 R(198 4y) に搭載されている単気筒エンジン。これをボア&ストローク(74 ×58mm) 、圧縮比(1 1.0:1)をそれぞれ共通のまま、キャブレターの大径化(φ34→φ36mm) でパワーアップしている。ギアレシオは6速全て共通〔⑾3.00 0 ⑿2.000 ⒀1.500 ⒁1.250 ⒂1.050 ⒃0.90 4一次減速比2.913共通〕。二次減速比のみを2.933 →2.800に変更している。11,000rp mをレッドゾーンの入口とする高回転エンジンは、OFF車向けに開発されたものであることを忘れるほどスムーズな印象。振動もしっかり抑えられており、6,000rpm付近から極僅かなピッチで発生するも、これ以上の回転域でも増幅されることのない快適性を持っている。フレームはダブルクレードルで、スチール製丸パイプ。オーソドックスなレイアウトではある。が、ハイパワーをしっかりとホールドしている。サスペンションは初期作動時で比較的ソフトに、ボトム付近では腰のある_竄ニいったフレキシブルなセッティングとしている。前16/後18インチの設定は、コーナーリングで以外にクイックな旋回性なのでは_竄ニ疑わせる。が、実際のところ、極自然な軽い前傾の姿勢から、軽い倒し込みを行うことで、安定感を伴ったコーナーリングが出来る。118kgと言う軽量な車体で切り返しも素早く行える。外観のおとなしげな印象とは裏腹に、ライダーの力量で意外な動力性能を発揮するモデルでもある。