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詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

樋口一葉、流れる文と生活と。

2018.10.03 01:00


 

 樋口一葉は、明治5年生まれの小説家。本名は、夏子、戸籍名は奈津といいます。


 歌人の中島歌子の私塾「萩の舎(はぎのや)」で和歌や古典を習い、作家の半井桃水に小説を学びました。


 代表作は、「たけくらべ」、「にごりえ」、「十三夜」などがあります。

 

 晩年、わずか一年と少し、「奇跡の14か月」と言われていますが、この短い期間で、秀作を書いたことで有名ですね。24歳という若さで、肺結核で亡くなります。

 

 父親を早くに失くして、父の事業の失敗のための借金を抱えて、17歳で、家督をついで、家族を養わなければならない生活に追い込まれるわけです。


 小説を書き始めたのも、お金、生活の為でした。その人が、後のちに、お札の肖像画になるというのも、めぐりめぐって、ふしぎな縁を感じます。


 一葉の句点のない文体は川の流れのように、耳元に響いてきます。小説の中に生きる人々の血の流れ、生きざまの気配が、そこに投影されているような気がします。


 一葉の代表作「にごりえ」冒頭部分を読んでいます。調布FM「神泉薫のことばの扉」放送分アーカイブにて、聴いてみてくださいね!


 


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