美しい筆名の泉鏡花は、潔癖性。
2018.10.13 12:34
美しい筆名を持つ作家、泉 鏡花(いずみ きょうか)。
鏡花は、1873年(明治6年)石川県金沢市に生まれた、日本の小説家です。
明治後期から昭和初期にかけて活躍しました。
独特の文体を持つ作家で、色彩感覚に訴え、色の描写が美しい文章を書いています。
ジャンルで言えば、幻想文学、ホラーの要素もありますね。
どこか、迷宮に連れ去られるような、ファンタジックなイマージュ。
文章に、魔力とリズムがあり、日本語の楽譜を読んでいるような感覚になります。
代表作は、『春昼・春昼後刻』、『夜行巡査』『外科室』『高野聖』など。
江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られています。
また、鏡花は、ひどい潔癖症で、ばい菌が大嫌い。宴会でも、なま物はいっさい口にしなかったとか。
魔法瓶に酒を入れて持ってくるという徹底ぶり。
ちょっと変わり者ですが、独特の魅力にあふれた作家です。
調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」放送分アーカイブにて、鏡花作品「あの紫は」「草迷宮」、ぜひ聴いてみて下さいね!