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デザインと価格

2023.07.08 14:32


ジュエリー産業で有名な山梨県甲府市に支社ができ、CADを教えていただける機会をいただきましたが、なかなか上達しません。^^;

自分が思い描くデザインを再現するには、まだまだ長い道のりです。



デザインをする上で、何を重要視しているかというと、「着けた時に気分が上がるかどうか」を最優先にしています。


軽ければ軽い方がいい。

地金は最低限。

デザインは極力シンプルに。

着け心地重視。


LARICAは恐らくこれらの逆をいっています。

地金をより小さく、薄く、裏抜きなどすれば、金属の分量が減るので原価は安くなります。

地金の価格が高騰し続けている今、ジュエリー業界では、いかに地金を軽くするか、原価を安くするかということを追及せざるを得ない状況でもあります。

個人的に「シンプル」は好きです。しかし、それだけだと世の中はどんどん希薄化してしまい、面白みがなくなってしまいます。

利便性を考えたら、デザインなんてない方がよくて、そもそもジュエリーなんて邪魔なものかもしれません。

それでも、見て、着けて、心ときめく何かがあるから、私たちはジュエリーに惹かれるのだと思います。



私は最近、LARICAの商品のことを「アクセサリー」ではなく、「ジュエリー」と言うようにしています。

これまで、「アクセサリー」であることを追及してきました。

「ジュエリー」というと、宝石を使った高価なものを想像してしまうので、LARICAのコンセプトである、“洋服を着替えるように付け替えて、気分を上げるもの”という存在でない印象が強かったからです。

ですが、本物に触れる機会をいただき、本物のクオリティーで製作してくれる職人さんと出会い、これはもはやアクセサリーの域を超えた「ジュエリー」であると確信したのです。

そして、コンセプトはそのままに、ジュエリーを追及したいと思いました。



LARICAは7月1日に価格改定をさせていただきました。

地金だけでなく、パールなどあらゆる原価の値上がりが続き、現行価格での販売は不可能だと判断したからです。

安いアクセサリーを探せは、いくらでも手に入る時代。数千円の値上がりでも、単位が変わるとハードルが高く感じます。手に取りづらい価格にしてしまったら、着替えるように変えるという提案はできないのではないか。現行価格を維持すべきなのではないか。と、すごく迷いました。お金儲けをしたいわけではないので、できる限り販売価格を下げて、多くの人に手に取っていただきたい。

現行価格を維持するためには、地金を品質を落とす必要がありました。パールの価格は今後ももじわじわと上がり続けることが予想されるので、削るとしたら地金という選択になります。LARICAがメインで使用しているサージカルステンレスも、ここにきて2倍~3倍の値上がりとなっています。

例えば、地金を真鍮製にする。真鍮とは合金のことで、数千円のチープなアクセサリーのほとんにこの素材が使われています。

メリットはとにかく安いこと。デメリットは水分に弱く、汗などがついたまま放置すると、すぐに変色してしまうことです。正直、私は、安い以外のメリットを感じられません。。。



価格を安くすることで、手軽に購入することができるかもしれないけれど、色が変わったり、使えなくなる期間が短ければ、総合的に見てコスパはとても悪いです。

K10、K18、ダイヤモンド、天然石はいわずもがなですが、新製品のスターリングシルバー(Silver925)製品は、メゾンジュエリーでも使われている地金です。同じように、LARICAでも刻印を入れているので、ジュエリーと呼べる品質。



ジュエリーの特徴のひとつとして、修理すれば使い続けられることが挙げられます。

故障してしまった場合でも、何度でも修理することができるので、永くお使いいただけます。

私は、手に取ってくださった方に、できれば永くご愛用いただきたいと思っています。使い捨てにしてほしくありません。

なので、今回やむを得ず価格改定をさせていただきましたが、ただ金額だけを見て判断するのではなく、なぜこの金額なのか、どんな技術や手間がかけられているかという背景までも想像していただけると嬉しいです。作り手がみなさまにそこまで想像していただくなんて、差し出がましい事かもしれません。ですが、長い目で見たとき、日常にジュエリーがあることの高揚感は、無駄なお買い物ではないと感じていただけるはずです。



今後もジュエリー品質を追求していきたいですし、利便性よりも気持ちが上がるデザイン、遊び心があるLARICAらしいジュエリーを発信していけたらと思います。