ジョニ黒の赤
先日、ご来店したご夫婦から奇妙な注文を受けました。
(以下オーダー時の様子)
客:「ジョニ黒の赤をください」
※ジョニーウォーカー黒ラベルの赤ラベルと別々のボトルを一杯として注文したという意
店:「どういうことでしょうか?」
客:「先日観た映画で俳優(田中邦衛)が酒場でそのような注文をしてたけどジョニ黒の赤って種類ありますか?」
店:「‥いや聞いたことないですね」
こんなやり取りをして
一杯目はジョニ赤
二杯目はジョニ青(一般的な最高品種)
をご注文頂きました。
その場では何か掴めそうで浮かばない‥
残念な店主だったのですが気を取り直して翌日、教習所での待機時間を利用して考察。
言わずと知れたメジャーウィスキー
現在マディソンに置いてあるジョニーウォーカーは7種類あります。ボトルカッコイイです。
お値段的に上から
①青
②18年(金)
③緑
④金
⑤W黒
⑥黒
⑦赤
の順番です。
世界で一番売れているスコッチウィスキーでホントに種類もたくさんあります。
○時代背景
ご夫婦が観た映画のタイトルと年代まではハッキリとは覚えていないのですが昔の映画と言っていたので大体30年以上前と想定した場合の話としておつきあいください。
○「高嶺(高値?)の花」と呼ばれた洋酒たち
私が10代の頃(1980後半から90前半)はちょうどバブル期で円高により海外旅行が身近になった頃もしくはそれ以前の話。今では気軽に飲めるワイルドターキー、ジャックダニエル、ジョニ黒などは高級なお酒で海外旅行のお土産が旅行する人に頼んで免税店で買うような代物でした。ジョニ黒は当時定価が10,000円だったそうです(現在の価値としては倍の20,000円くらいでしょうか)。
○ヒントは下町のナポレオンにあり💡
話は少しズレます。「下町のナポレオン」といえば言わずと知れた大分麦焼酎「いいちこ」。「ナポレオン」とはブランデーの等級のこと指します。いわゆる高級なブランデー。そこに「下町」を入れることにより庶民的なお酒をちょっぴり高級感を持って楽しもうという粋な演出を感じます。
時代背景と庶民感覚を加味して考察すると映画の中での田中邦衛は「ジョニ黒の赤」というオーダーをすることで気分は高級なジョニ黒、でも実際自分のお小遣いで呑むのはジョニ赤という庶民的なニホヒがする場面だと言えます。何だかほのぼのしますね。
そんなことを考えながら
先日のご夫婦のオーダーを振り返ります。
「ジョニ黒の赤をください」
実際のオーダーは
一杯目「ジョニ赤」
二杯目「ジョニ青」(当時のジョニ黒と同じくらいの価値)
とこの二杯をオーダーする感覚
センスとユーモラスを感じます!!
脱帽!
この考察あくまでも個人の見解ということで正解かどうかは全く不明です。あしからず