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シロクマニッキ

夏開きの夜、広めのコンビニ

2018.07.10 06:32

雨が降り、雨が止み

暑くなり、でも夜はまだ肌寒くて

でも気づけば1日丸ごと暑くなり

突如大雨が故郷を飲み込んだ。

ニュースでは毎日その水害の影響を報道している。

地元での出来事だから関係ないことはないけど、身内や近しい友人が直接的な被害を受けたわけではないから、

なんとも言えない距離感です。

心配してくれる周りの人達は本当に優しいなと思う。


ワールドカップの盛り上がりにも乗り切れず

黙々と日々をこなしていた。

やるべき事も、やりたい事も無くなることはない。

家に帰ったら寝落ちして、朝は二度寝せずに少し余裕を持ってから仕事に行く。を繰り返していた。

1人友人が留学で旅立ったこと以外

特筆すべきことはなかった。

寝て起きて働いて食べて練習して、ネット番組の恋愛ドキュメンタリードラマみたいなのを見て、休みの日は写真を撮ったり撮らなかったり

人に会ったり会わなかったりしていた。

出来事は絶えず生まれてたけど、感情の琴線に触れるほどのことではなかったということだ。

書かずして解決できる事だったということか、

書いてなかった分人に話したからなのかも知れない。

とにかくやらないといけない事も、やりたい事も、ほどほどにやっていた。というかんじだ。なんだ、薄くないか?今の自分。そんなの嫌だけど?


そんなテンポで夏にフェードインしていくかと思いきや、

おそらく僕の夏は昨日の夜から始まったのだと思う。スタッカートだ。急に来た。



昨夜は仕事を終えて

すぐに国分寺の友人夫婦の家に向かった。

学生の頃の友人達で集まり、夏びらきと銘打って手料理を振る舞って貰う約束をしていたんだ。

事はインスタのストーリーで友人に「飯うまそう」的な事をコメントしたところから始まる。

ちなみに自分がこうコメントされたら、適当に「うまかった」と、机の埃を払うくらいの心持ちで会話を終了させていたかも知れない。

もしそれが意中の相手ならばすぐさまいい感じの返事をし、いい感じの料理を作るとかなんとか言ってその相手とどうにかいい感じになれるようにしていただろうけど。

まぁそれは置いといて、。

そのどうでもいい僕のコメントが発端で、みんなで久しぶりに集まろう。同じ釜の飯を食い語らおう。夏びらきとしばらくぶりの再会を喜び、酒を飲もう。

となったのだ。


僕はそのやり取りの間の10分でフライヤーを作り、ライングループを作り、宅飲みを企画した。

何だかんだ初めて降りた国分寺、ケータイの電池が切れそうになりながら

瀕死のグーグルマップを頼りに友人宅を訪ねた。

久しぶりの満員電車にぐったりして

踏切横のバス専用道路を大股で歩き進め警備の人に注意された。

暗闇に光るセブンがなんだか遠くにあるように思えた。

静かで蒸し暑かった。


友人夫婦の家、もとい東京で人生という荒波と戦う基地、もとい愛の巣は

ちゃんと生活感があってとても暖かく和やかな気持ちにさせてくれた。

ご飯が本当に美味しかった。

北村はただの女将だった。僕らと談笑し、台所近くに来た原の白い服に油が散るといけないと気を配りながら自分も真っ白のでかいTシャツを着ている。やべーやべーとエプロンをつけ、遅くに帰ってきた旦那・ひろしを程よい感じであしらいつつ、敬いつつ、談笑してたらマーボーナスが出来ていた。めっちゃうまいやつ。他にもオクラが乗ったやっことか、ぶりカマとか、ゴーヤチャンプルとか、色んなのがあった。ご馳走様でした。ありがとう!


ひろしの家族の話になり、とにかく腹を抱えて笑った。ひろしの家族はやばい。ひろしがやばいのも納得がいく。けどひろしがあんなにも穏やかでゆるいキャラなのは不思議になるくらいハードモードなキャラの濃さなんだよ、ひろしの家族は。

ばあちゃんの腰にヤンキーの姉ちゃんが犬のおもちゃをクリティカルヒットさせた話と、ひろしの姉ちゃんの彼氏もヤンキーでひろしの下校時に迎えに行ってた話が忘れらんねえよ。

つまり姉ちゃんの話が全部おもしろかった。


仕事の話とか、共通の友人がはげてきてることとか、色んな話をした。ルーカスはベジータはげになっても髪を切らせてくれよな。頼むな。あと俺の写真も撮ってくれ。これはいうの忘れてたな。

原もルーカスも北村も、個別で会ったりしてたから分かるんだけど最近で一番楽しそうな顔してた。学生の頃の友人って生き物は何でこんなにもハートフルなんだろう。今自分たちが大人になってるのかは分からないけど、大人になってもこうやって遊べるのって何か良いよね。本当の大人になっても同じ釜の飯を食おうぜ。北村頼む、今度は肉じゃがと唐揚げを作ってくれ。ひろしのビールは俺が買っていくから。


そんなこんなであっという間に時間は過ぎ当たり前のごとく終電を逃した僕は当たり前のようにルーカスの家に避難させて貰う気満々だったんだ。だってなんか帰りたくないじゃん。

でも原はみんなよりも大人だったんだ。お土産にあんみつを置いて腹8分目できっちり帰っていった。原だけに、腹8分目。というわけではない。ごめんこれはわざとすべったんだ。

今度はもっと早い時間からやろうな。


そうして懐かしさを感じる阿佐ヶ谷にルーカスと帰ったんだ。ルーカスの家はもう記憶には薄かったけど、原の最初の家も阿佐ヶ谷にあったし、学生の頃はたまに行ってたんだ。両手で数えられる程度だけど。

ルーカスがVRを買ったらしくて、ゲームをさせてくれるって言ってて結構楽しみにしていたんだけど家に着いたら速攻で気を失ったよ。酔ってなかったんだけど、寝たというよりは気を失った。貸してもらったブルートゥースのハンディスピーカーから流していた音楽が勝手に耳ん中でフェードアウトしていった感覚だけ覚えている。あとクソ暑い夏の夜、クーラーが効いた部屋でかけてもらう毛布って何かいいね。

持って帰ったあんみつのことは忘れてて食べなかったし、VRもしなかったし、会話もほとんどしなかったけど、床を貸してくれてありがとう。今度はVR試させてくれ、そして大人のビデオも体感させてくれ、ルーカス。よろしく頼む。


朝はまた水害のニュースがやってて、ああ、こうやって穏やかな休日の始まりを迎えてしまっていると思った。罪悪感までにはいかないけど、半端に居心地の悪さというか、不思議な気持ちになるんだ。テレビの向こう側はいつまで経ってもテレビの向こう側の出来事にしか思えなくて、そこに自分の故郷が映っていたとしても、あまり実感できないくらいに僕は物事に関心がないのかもしれない。

でもそれは家族が無事だからなんだろうけど。


阿佐ヶ谷の駅まで何故か大塚愛を歌いながら歩いた。大塚愛はどんどん懐かしい存在になっていくね、それは僕たちがおっさんになっていくってことでもあるんだ。記憶が正しければ2枚ほど写真を撮ってたね、ルーカス。

気づいてないフリが上手くなったものだと自画自賛する。そう、気づいてないフリをする努力をしていたということをここで告白しよう。

いい写真だったらインスタグラムのプロフィール写真に使わせてほしい。


時間にして9時間

寝た時間を引くと5時間

あっという間に走り去っていった夏の始まりの夜。

初めて降りた国分寺の蒸し暑い夜道、たまにしか通らない車と無駄に広いコンビニエンスストア、ちょうどいい広さの家と生活感、ご飯の味、心地のいい空気と帰り道に吸ったタバコ。

走馬灯のように感じられるな。文章にしていると。

たくさん話をしたけど、1番覚えてるのは

一度髪を切らせてもらった今はもう故郷に帰って結婚をした友達のつるつるとした頭を白い画用紙に例えて話したら、ひろしがすごく楽しそうに笑っていたことなんだ。メシウマってことだよね、ひろし。


目黒に帰り、これまた友人と朝ごはんを食べる会をし

サロンに行って練習をした。

明日からまた美容師として一週間が始まる。


夏はこれからだ。