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KAWASAKI Eliminator400/ZL1000 1986

2018.07.10 10:11

KAWASAKI Eliminator400 1986

 1979年のZ400 LTDで第一次アメリカンブームに火を付けたカワサキも、次第にその様相を変えていった。レーサー嗜好を強めていく市場のニーズに、カワサキとしては1980年のZ250 LTDを継承したZ250 LTDtwin(1981y.4〜) を名残として留めるに過ぎなかった時もあった。1985年にVZ750twin とEN400 をラインナップするが、市場の活性化を果たす術もなく、新たなコンセプトを探ることとなった。従来のアメリカンに固執することなく、全く視線を異なった方向に向けることで「エリミネーター」は生まれた。1/4 マイルを疾走するドラッグレーサーのダイナミックな躍動感をスタイリングコンセプトにおき、スーパースポーツモデル並の動力性能を備えたモデルが誕生した。輸出向けに選定された「900 エリミ」に次いで国内にデビュー(1985y) した「750 エリミ」に続くラインナップではあった。が、国内では寧ろビッグマーケットに成長した400cc クラスが、大いに期待されてのことだった。パワーユニトそのものはGPZ−400 R。吸・排気系のセッティング変更もあり、数値上では(59ps/12,000rpm →54ps/12,000rpm、3.60kg-m/10,500rpm→3.40kg-m/10,500rpm) 迫力を削がれている。実際のライディングフィールに関しても、ミッションのギア比そのものにも変更なく、僅かに二次減速比のみのGPZ−Rの2.600 →2.522 の設定変更では、些か外観から受ける迫力には及ばない印象と言えなくもない。仮に目を閉じてアクセルを煽る限り、GPZ−Rと何ら変わらぬ印象に思えるはず。せめて 1速〜 3速をローギアード化し、よりダイレクトにパワーを実感出来るようにとも思えた。しかし、カワサキの狙いはハズレる

ことなく、このモデルを確実にヒットさせた。1988年には400 SE/LXと 2タイプに分離。1993年には、スタイリングにも変化を与え、より低・中速重視のセッティングでアピール度を高めている。


KAWASAKI ZL1000 1986

「 エリミネーター」の最強版。1000RXのパワーユニットをベースに、低・中速域の特性を高めたドラッグモンスターだ。低く構えた特徴的なフォルムは、このモデルを意外にコンパクトに見せてくれる。超ド迫力のハイスピードツアラーと較べると、すんなりとライディング出来る印象を持っている。ホイルベースに関しては「900 エリミ」の1595→1615mmと延長。全長では2240→2330mmと拡大されてはいるものの、フィーリングは全く変わらない。出力特性に関しては、GPZ−Rベースの「900 エリミ」よりもフレキシブル、扱いにも容易な印象さえ覚える。日本の道路事情にもマッチしたツーリング向きのモデル。