北の麒麟 エゾノキリンソウ
2023.06.27 11:00
(2023/6/27・森吉山麓)
蝦夷の麒麟草(えぞのきりんそう)
ベンケイソウ科キリンソウ属/多年草
肉厚な葉(多肉植物)と黄色い星型の小花がわさっと群がるように咲く花房の様子を、古代中国の吉兆を知らせる伝説上の動物”麒麟(きりん)”に喩えて「麒麟草(きりんそう)」。
蝦夷地=北海道等に生息するので、合わせて『蝦夷の麒麟草(えぞのきりんそう)』。
キリンソウと言えば、夏の終わりから秋にかけて山地や高山で咲くのをよく見かけるアキノキリンソウ(秋の麒麟草)・ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)があるが、あちらはキク科の全く別系統の仲間。
エゾノキリンソウはキリンソウ(麒麟草)やツルマンネングサ(蔓万年草)等と同じベンケイソウ科の仲間。
一つ一つの花の形がキクのそれらしいお日様型な(ミヤマ)アキノキリンソウに対し、エゾノキリンソウの花はお星様型(キリンソウ・ツルマンネングサ等と同じ形)などなどのはっきりとした違いがある。
茎に対して真上から見て丸い円状に花をつけるところから「黄輪草」の字を当てるのはアキノキリンソウの方が相応しいかもなあ、と思うが、エゾノキリンソウも株毎に花房が出来る様は黄色い輪(というか丸)にも見える。
花期は春から夏にかけて。北海道だけに生息とする記載も見かけるが、本州や四国地方にかけても生息するというものもあり。
まあ、実際こうして東北地方でも観察出来ているわけだが…元々は北海道だけに生息していて、最近、人の動きに合わせて広がったのかどうかまでははよく分からない。
背丈は10〜20cm程になる。
海岸や山地の岩場等に好んで生えるが、私が見つけたのは山の中に作られた大きな橋の上。人の暮らしに寄り添う逞しい雑草魂もあるようだ。
花言葉(キリンソウとして):警戒/予防/用心