【神奈川県入試情報】塾の先生がオススメする湘南高校の目指し方
生徒から「湘南高校に行きたいけどどうしたらいい?」という直球な質問を頂戴したので、その時に説明したことを可視化しやすいように資料を作ってみました。
その名も「湘南高校の目指し方」。うむ、そのまんまですね。
まぁ、ネーミングというのはわかりやすいのが一番です。本日はその中身について詳しく説明していきたいと思います。
なお、書いていて改めて思ったのですが、県下トップ校の一つである湘南高校を目指すのは険しい道です。でも、目指すだけの価値はあります。どうせだから道中も楽しみましょう。
湘南高校の目指し方
日々の過ごし方
まずは普段の過ごし方についてです。色々盛り込みました。箇条書きにしながら説明していきましょう。
- 毎日勉強する。
- わからないことをそのままにせず自力でできるようにする。
- 怪しい問題は繰り返す。
これらは勉強についての事項ですね。毎日の勉強は基本です。時間というよりはやることを決めて、最低でも毎日コツコツそれを進めるようにしましょう。小学生のうちのオススメの教材は『小学生のうちからやっておくといいこと』の記事でも説明していますので良かったら参考にしてみてください。
勉強の仕方は、本気で解く(テストする)→丸付けする→間違えたところにチェックして解説を読む(不明点は調べたり人に訊いたりする)→理解したら自力で解けるまでやる→しばらく時間が経ってからチェックしたところを何回かやる、の繰り返しです。
そうそう、その通りです。初見でできるかできないかはまずはどうでもいいです。できるまでやること。ここが一番のポイントになります。
次の項目も見ていきましょう。
- 誘惑を避け自分をコントロールする。
- 色んな体験をして頭の中の具体を増やす。
- 探究心を持つ(なぜ?は調べる)。
- 人とよく話す。
- よく笑う。
- 文字慣れしておく。
- 趣味でもやる時はとことんやる。
- 運動(縄跳び水泳etc)も楽しむ。
これらは生活における事項です。
まず最初は誘惑との付き合い方です。人間は弱い生き物ですから、誘惑には負けてしまいます。だから、誘惑とは戦わず距離をとったもの勝ちです。特にスマホやタブレットやゲームはやり過ぎ注意。物理的に遠ざけて、適切な距離を保ちましょう。自分をコントロールすることも必要な要素です。
色んな体験をして頭の中の具体を増やすというのは、人から何か話を聞いた時に「ああ、それわかる」とイメージを浮かべられるようにしておくということです。具体的なものを浮かべられるようになれば考えやすくなります。その為にも、旅行、ピアノ、キャンプなどなど、やったことがないことに積極的に取り組むようにしておきましょう。
探究心を持つことも大切にしたいです。毎日の中で生まれる「なぜ?」について、気の済むまで調べる癖をつけましょう。疑問の種はあちらこちらに転がっています。興味を持つ癖がつけば、勉強にも役立ちます。調べるのも上手になって一石二鳥です。
人とのコミュニケーションも大切にしましょう。湘南高校生は自分も人も大切にする印象です。OBのつながりも強く、人好きの方が多い印象を受けます。なにも「すごく気を遣え」ということではありません。よく話し、よく笑いましょう。それだけで十分です。
最低限の読書もしましょう。神奈川県入試は日本トップクラスの文字数を誇ります。文字慣れが必要です。もちろん入試のためだけではなくて、楽しんだり知識を補充したり言葉の使い方を学んだり、活字から得られるものって沢山ありますからね。
私が今まで見てきた湘南生は趣味も全力です。自分が好きなことにのめり込む力は半端ないです。そこで集中力も鍛えられているんでしょうね。
湘南生になりたいなら運動も疎かにしてはいけません。昔よりは優しくなりましたが、水泳や縄跳びは居残り特訓があります。部活動を兼部する子も多いですし、休み時間に球技大会やったりします。スポーツにも楽しんで取り組めるようにしておけると良いです。
日々の過ごし方のラストはこちらです。
- 湘南高校の文化祭や体育祭は見学しておく。
- 湘南高校の雰囲気や理念を確認・理解しておく。
湘南高校を知っておくということですね。
湘南高校は、東大をはじめとした難関大学を目指しつつ、「三兎(勉強、行事、部活)を追え」という癖の強い高校でもあります。実際高校3年生でも行事にかなりの力を注ぎますし、忙しいです。浪人して大学受験する子が多いともいわれます。そんな独特な高校生活を楽しめるかどうかイメージするためにも、ぜひ高校を自分の目で確かめてみましょう。HPは必ずチェックしておきましょうね。
このブログにも『湘南高校見学記』や『先輩アンケートで知る高校案内』の記事があります。参考にしてみてください。
勉強面(中1〜受験勉強まで)
ここからは勉強面を掘り下げていきましょう。
まず中学校での勉強についてです。
湘南高校の合格者平均内申は毎年大体130を超えます。満点が135点(2年末45点+3年2倍で90点)ですから、各教科の評定がほぼほぼ5か4ということです。ですからこれがわかりやすい目標になります。
オール5を目指しましょう。
もちろん不得意な教科があってどうしても5が取れないというのは仕方ありません。でも、大事なことは目指すことです。まずはそこに向かって全力で努力してみましょう。
もう少し具体的に言えば、テストは毎回9割以上、提出物と授業態度は問題なし、先生とのコミュニケーションも上手にやるということです。これもできる限りで構いませんから、まずは全力で取り組んでみましょう。その全力感こそが湘南生っぽいです。
使う教材に関しては、学校のワークが重要度が高いです。3周以上はしましょう。一周目は提出も考えて全部。二周目三周目はチェック入れたところだけやれば良いでしょう。
また、それとは別に塾のワークや難易度高めの問題集があると良いですね。それも含めて、ここからは各教科で注意すべきポイントについて説明していきましょう。
まずは英語と数学。これらは積み重ね教科と呼ばれます。次の内容をやるときにこれまでの内容(積み重ね)が必要なのでそう呼ばれるんですね。
これらの教科はその特性上、総合問題で実力が大きく鍛えられます。「ん?この問題はどのアイテム使うんだろう?」から考え始めたい教科なので、使うアイテムがはっきりしている単元ごとの学習では実力が大きく伸ばしづらいんですね。
もちろん必要なアイテムを手に入れることやそれを使いこなせるようにしておくことは重要です。
それを踏まえて、普段はどんどん予習(自力で読みながらできたら最高。8割ぐらいの理解でオッケー)をし、学校のテスト前に各々の単元を完璧に近付けるような形で進めたいですね。中学3年生の夏前後で実際の入試問題などを利用して総合問題演習が始められれば最高です。
単元ごとの結びつきが弱い理科社会はそこまで焦る必要がありません。学校でやった範囲を完璧に近付ける学習を心掛けましょう。雑学を披露できるぐらい深い学習ができると良いですね。
最後は国語です。湘南高校を目指すのであれば前述の通りある程度の活字慣れはしているでしょうから、学校のテストではそんなに苦労しないかもしれません。教科書を手に入れたらすぐに全部読んじゃうぐらいの勢いでやりたいです。
ただ、「文学的文章の感情の読み取りが苦手」とか「文法が難しい」とか、弱点があっても何にも問題はないので、弱点を見つけたらその都度一つずつ丁寧に埋めていきましょう。
併願校
湘南高校を受験するときに、併願校も選ぶ方が多いはずです。ここでは湘南高校とよく併願されている高校を紹介しておこうと思います。全県模試さん調べです。
山手学院、桐蔭学園、東京学芸大附属、中央大附属横浜、鎌倉学園、桐光学園etc
こういった私立高校や国立高校も見に行って雰囲気の違いなど掴めると良いですね。
入試対策(5教科)
さぁ、いよいよ入試対策です。
まずは目標点数を設定しましょう。参考にしたいのは、昨年の合格者平均点です。どれどれ。
湘南高校を見ると毎年450点前後が合格者平均点になっています。学力検査は500点満点ですから、やはり厳しい戦いですよね。
では450点をどの科目でどうやってとるのか、戦略を立てましょう。全県模試さんが出している偏差値別の得点が参考になります。ちょっと見てみましょう。
ここで注目するのは偏差値70ゾーンです。これを見ると科目ごとの特性が分かりますね。
上位層が高得点を取りやすいのは英語と国語です。ですからここは100点を目指して頑張りましょう。逆にここで点がとれないと大きな差がついてしまいます。注意です。高得点を狙う際には、それぞれ『英語問題分析』と『国語問題分析』の記事が参考になるはずです。
英語は早い段階で予習を終えたいです。3年間の文法とその使い方を頭の中に入れましょう。以下の表にメインの文法が載っていますから、一つずつの文法の説明と例文が言えると良いでしょう。
予習を終えたら、そこからは総合問題演習を繰り返しましょう。市販のものでいえば、神奈川県の過去問や全国入試問題正解といった教材で、実際の入試問題に触れられると良いですね。ただ神奈川の過去問題は数が少ないので、やり過ぎに注意です。冬に模試のように使う分を残しておきましょう。詳しくは『過去問の使い方』を参照してください。
国語も入試問題レベルに早めに触れたいです。夏からやっても良いですね。ただ、他県の問題を時間制限設けてやる場合は、神奈川県の問題は文字数が多いので、時間を少し短めに設定することをオススメします。
理想を言えば、どちらの教科も冬にあまり時間を使いたくはありません。なるべくそこまでに高得点が取れるように仕上げておきたいです。冬は英語と国語の読解などを毎日のやることに組み込んで、毎日短い時間でも触れて感覚を忘れないようにできると良いですね。
次は数学です。改めて偏差値別の得点を見てみましょう。
英語や国語に対して数学は平均点が低いですね。正答率が10%を切るような問題が多いので、このぐらいの点数に落ち着きます。余裕があったら『数学問題分析』の記事で問題も見てみてください。
ここは目標を80点から70点あたりに設定しておいて、いくつか過去問などを解きながら、どの大問から攻めていくか作戦を立てられると良いでしょう。
配点が大きく正答率が低い難問は、関数、確率、平面図形、立体図形に設置されていることが多いです。自分の取れそうなところから攻めていくようにしましょう。
数学も英語と同様積み重ね教科ですから、なるべく早く予習を終えて、総合問題演習を行いたいです。これまた全国の入試問題など活用できますが、作図問題は(今のところ)神奈川県では出ないので一旦飛ばしてもいいでしょう。一度やった過去問は串刺し形式(関数ならひたすら関数)で解けると理解度が上げやすいです。
最後は理科と社会です。三度、偏差値別の表を確認しましょう。
過去の入試得点平均を見てみても、バラツキが大きく、難易度が読みにくいのが理科と社会です。
この2教科、問題文や選択肢の難易度でだいぶ平均点が上下するんですね。正直そこは読めないです。過去問をやると難易度の違いが掴みやすいと思いますが、もちろん難しい方に標準をあわせて準備を進めていきましょう。
一応目標点数の設定としては、9割前後を。難易度が高くなれば平均点も上がるのでそこは心配しなくて良いです。
『理科問題分析』『社会問題分析』でも詳しく解説していますが、単元ごとの繋がりが薄いこれらの教科の戦い方は、一つの単元ごとに固めていくことです。
例えば理科なら大きく分けて以下のような単元があります。
この単元一つずつを得意なところから徹底的に固めていくのです。「ここが出たら大丈夫!」というゾーンを増やしていくイメージです。
社会も「世界地理」「日本地理」「江戸時代までの歴史」「江戸時代後の歴史」「政治経済」「公民」と大きな括りで分けることができますから、一つずつ極めていきましょう。
ここまでざっと5教科の入試対策についての取り組み方を説明してきましたが、塾に行かずに勉強を進めているとぶち当たるのは各教科、教材問題です。やる教材がなくなっちゃうというやつです。そういう方がもしこの記事を読んでいらっしゃったら、相談には乗れますので、お気軽にLINEください。
入試対策(特色検査)
最後は特色検査についてです。
まずは目標点数の設定ですね。全県模試さんによると、湘南高校の特色検査の平均点は60点前後です。ですから、ここでは70点前後を目指したいですね。高い壁ですが、狙っていきましょう。
特色検査の対策としては、以下の内容がポイントになってきます。
- 英語の読解
- 国語の読解
- 5教科の知識活用
- 実技教科の知識活用
- 思考力問題対策
- 図形パズル問題対策
実技教科の知識活用については、定期テスト時に入試を見越して準備ができると楽になりますね。思考力問題や図形パズル対策に関しては、特殊な教材が必要です。オススメのものをここで挙げておきますね。
各種SPI試験問題
公立中高一貫校過去問
特色検査過去問
特色検査がどういうものかわからないという方は、ちょっと古いものですが『特色検査湘南高校過去問』に目を通しておきましょう。直近のものは解きたいのでまだ見ないでください。
終わりに
ここまで長々と湘南高校の目指し方を述べてきましたが、リンク先も含めると膨大な文字数になってしまいました。そう、実はこれも日本一の文字数を誇る神奈川県入試へのオマージュです。嘘です。
まぁどちらにせよこれしきの文字数でへこたれていては湘南高校は目指せません。上手に活用していただけたら幸いです。
合格とは、格に見合うということ。せっかく目指すのですから、湘南高校の格に見合うように努力をしていきましょう。もちろん途中で道が変わっても、その努力は無駄になることはありません。
そして、最も大事なのは、湘南高校に入ることではなく、その先です。ただし、そこにおいても、これまでの努力の日々が必ず役に立ってくれることでしょう。
素敵な高校入試、ひいては素敵な人生になりますように。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
湘南高校はもちろん、他の高校も気になるというあなたはぜひこちらもご活用を。