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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第6回十字軍13-仏王アルビジョワに死す

2018.07.12 02:38

なんとフランスではまだアルビジョワの戦争が続いていた。こちらも実は十字軍である。1226年1月26日、ヴァチカンの要請に応え、代代わりの仏王ルイ8世は十字軍を招集した。これに対して南仏の諸侯は次々に忠誠を誓い、トゥールーズのレーモン6世は孤立した。

獅子王といわれれるだけあって軍は5月ブーリュージュを起点として次々に都市を制圧し、夏にはアヴィニョンを包囲した。ひと夏をかけて都市は陥落したが、ここで王は真夏の井戸水によって赤痢に罹ってしまう。軍はさらに進撃したが、トゥールーズを前にして病気が悪化、ついに撤退したのである。

そして11月8日、オーヴェルニュの山中にてパリへの帰還を果たせずにルイ8世は崩御した、39歳。実に在位は3年、偉大なる父フィリップオーギュストに隠れ、継いだばかりの無念の死となった。そして王の死と共にすべては振り出しに戻ったのである。

パリでは息子が12歳で即位した。王母はあの女傑アリエノール・ダキテーヌの孫ブランシュ。彼女は、臣下をまとめ、王の遺言を変えて自分が摂政となる。後に聖人王となり崇められるルイ9世の御世はこうして波乱万丈に幕があがったのである。

下はルイ8世のアヴィニョン包囲