DIGDANCEというライブ空間での境地。【digda】
digda
ロック、ファンク、トランス、ジャズ。多様なテイストが入り混じるdigdaのサウンド。音の旅を続けながら開拓しているジャム&ダンスの現在形。
文 = 菊地 崇 text = Takashi Kikuchi写真 = 林 大輔 photo = Daisuke Hayashi
ー digdaを結成したのはいつ頃だったのですか。
SKM 去年の12月3日なんです。
ー それは今の4人で再始動した日ということでしょうか。
SKM そうです。本当は固定メンバーでずっとやりたいと思っていたんですけど、自分とヴィクトリアふたりだけで、他は定まらない状況でずっとやってきたんです。実際に気持ちまで託すことができるメンバーって、簡単には出会わないですから。
ー 12月3日に今のメンバーはそろって初ライブをしたということですか。
SKM ちょうどスーパームーンの日だったんですね。願いごとが叶う日だと言われていて。それでみんなに連絡して「リバース」っていうイベント名を付けてライブをすることにしたんです。一致団結して再生する、そんな思いを込めて。12月3日ってワンツースリーだし、よしやろうってなったんですよ。
ー RYUTARはメンバーとして加わったのはどういう思いがあって?
RYUTAR セッションして、ここなら思いっきり弾けるなって思って。そのときバンドに超飢えていたし、まだまだいけるし、どこまで行けるだろうなって広がったし。それがあったからだよね。
SKM 俺らにとってはらぞくのRYUTARはずっと憧れの人で。あの人とやれたらたぶんストレスがないなって思っていたんですね。
ー digdaはどういう思いを持って結成したバンドだったのですか。
SKM 60年代70年代の音楽がすごく好きで、ウッドストック的な、フラワームーブメント的なものにすごく憧れていたんですね。それを日本で表現できたらいいなと思ってはじめたのがきっかけですね。
ー12月に再始動して3月にはアルバムをリリースしました。
SKM 僕とヴィクトリア、そしてRYUTARとNory。このメンバーになったことで、作品を先に作ったほうが動きやすいって話になったんですよ。いいものができるっていうことが、ちょっとライブしただけでもわかったので、じゃあ曲を作るために合宿しようと。合宿したら新曲がバババっていきなりできて。それでアルバムを作ろうってなって、すぐ録ったんです。
ー レコーディングのときに大切にしていることとは?
SKM みんながどうかはわからないけど、その場の自分たちの勢いがそのまま閉じ込められているのが一番いいなって思っているんです。作り込めば作り込むほどいいものが必ずできますけど、ライブよりいい音源って寂しいなとも思っていて。等身大のアルバムっていうか、そのままって感じです。包み隠さず出せたかなって思っていますけど。
RYUTAR エキスパートがそろっているから速かったよね。曲作りでは、 NoryとSKMちゃんがセッションして、大筋が決まっていくっていうことが多かったから、あとはギターと歌が乗っかるだけで。 Noryは宅録のようなこともやっているから、音をまとめるのがうまいし。
ー 『From behind the moon』というアルバムはどんな思いが込められている?
SKM 月の向こうから来たというような意味のタイトルなんです。あっちに行ってこっちに戻ってくるみたいなライブをしたいねってRYUTARと話していたことがあって。
Nory スペイシーな物語みたいなことがアルバムとしてあったりするかも。
ー ところでdigdaとはどういう意味なのですか?
ヴィクトリア もともとはSKMちゃんと私と、もうひとりベースの3人ではじまって。そのベースがダブをやりたいと。「DIGGING DUB=ダブを掘る」って言ったら、ベースがそれを短くしてdigdaでいいんじゃないのって言い出して。
SKM 向こうのスラングで、音を掘る人のことをディガーって言うんですけど、その意味でのDIGもかけていますね。
ー 今持っている次の目標なり展開はどういうものですか。
SKM 数えてみてびっくりしたんだけど、結成してからの半年で50本以上ライブしているんですよ。台湾のフェスにも行ったしね。もっともっとライブをやりたいと思っています。僕らはらぞくほどネームバリューもないし、より多くの人に名前を知ってもらいたいというのが今の願い。未来でいえば〈グラストンベリーフェス〉⦆に誘われるようなバンドになろうぜって組んだのがこのバンドなんですよ。
RYUTAR 日本では〈フジロック〉に呼ばれたいね。まずはニューアルバムをみんなに手渡ししに行きたいよね。
ヴィクトリア まだ開拓していない日本各地に行ってね。
digda;
Victoria(Vo)と佐久麻誠一(Vo.dr)を軸にして活動。昨年12月にRYUTAR(Gt.Vo.)とNory(Ba.Cho.)が参加して4人組として精力的にライブ活動を続けている。ライヴハウス
やクラブ、カ フェ、バーに至るまで、国内外の野外フェスティバルはもちろんのこと、今日も何処かでオーディ エンスを沸かせている。https://www.digdajp.com/
CD From behind the moon;
4人になって急遽リリースを決め、4日間のレコーディングで仕上げた作品。ソウルフルな歌、グルーブのあるリズム、そして変幻自在なギターがミックスされた独自の世界観を表出している。