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「ラスト・ドライブ」

2018.07.13 07:48

一昨日・昨日の業務は、人生において最後に「家に帰る」利用者様とご一緒する機会を頂きました。家に帰ることが最後なので車に乗車する機会、それは「ラスト・ドライブ」となる訳です。詳細には書けませんが、ご家族が最後に一堂に会しとても重要なお時間を持たれたそうです。ご自宅にはストレッチャーでお送りし、幻覚症状がある状態でしたので、最初は「とてもちゃんとした話など期待できそうにない」と思われていたようですがきちんと最後のお話しが出来たそうです。2日目、ご自宅から病院への迎車に到着した時などは、初日の家に帰れた喜び(それより一晩をご自宅で介護される事の不安が大きかったと思います。)よりも「これが最後の我が家の景色」というご家族の気持ちを思い計ると居たたまれなくなってしまいます。しかしここからが私たち、介護タクシー・ドライバーという仕事の醍醐味。ご本人、ご家族にあまり意識はないかもしれませんが、そう、ラスト・ドライブです。予めエアコンで車内を適温に調整、利用者様をベッドからストレッチャーへ丁寧に移乗、宅内を安静に移動、一旦屋外に出てそして車内へ。ひと声かけて発進。いつも通りの搬送。でも私だけはこれがこの方のラスト・ドライブになることを意識しながらの搬送。そう大そうな仕事ではありません。私が医者ならもっと多くの人の助けになれるのでしょう。でも、これが私たちの誇るべき仕事です。今日も明日も最高な乗り心地に努めるドライバーなのです。いつか訪れるだれかの「ラスト・ドライブ」に繋がれるように、今日も私たちは安心・安全なドライブを心がけて走っています。