時間軸。
「急がないから」という言葉はどの程度で受け取るのが正解なのでしょう?
作業は「なる早」を是とする弊店ですから、急ぐなと言っても最速仕上げが基本ですが、
それはやるべき作業内容が見えている時の事であります。
対してオーナーさんの訴えるトラブルに対し明確な対処が見つからない&急がないと言われると、
作業の順番は後に後に、暇になってする事が無くなるまで後に回してしまいます。
しかし、いくら「急がない」とは言っても限度はある訳で、放置も過ぎると怒られる事必至ですから、
やるべき作業が一段落した本日、放ったらかしていた車両の修理に取り掛かりました。
オーナーさんが「何かおかしい」と言う此方、構成部品の年式やチャンポンっぷり、そして汚れっぷりから、
乗らずに放置されていた期間は随分永いであろう事が見て取れます。
こうなってしまうと「何かおかしい」に対して「そりゃおかしいでしょうな」と答える事と、
汚れを落として本来の姿に戻す事、それ無くしては修理もクソもってな話で。
この真っ黒なプーリーが、本来はライトグレーだったと誰が信じてくれるでしょう?
寧ろ気持ち良いまでの汚れっぷり、さぁバラして洗って磨いて確認して給油して!ワッセワッセワッセワッセ・・・。
ホイ!取り敢えずは「普通」と言える状態に戻りました!
此処がやっとスタートライン、これから実走してダメ出しして行く訳ですが、
年式が年式なので部品交換が必要となったとしてもスッと新品で手に入りませんし、
予算にも限りがありますから、まぁ・・・のんびりやって行くしかないのです。
まぁ今回の車両の様なのんびりモードが許されるのは依頼主が知人&工賃タバコ代だからでありまして、
「仕事で」のんびりしているとお客様から激怒されて店潰れてお終いです。
しかし世の中には「待てる、待ってでも!」といった猛烈な熱意無くしては手が出せない、
そんなモノも存在し、ワタクシの知っている限りその代表格と言えば。
生ける伝説「Dobbat's/ドバッツ」さんのフレームではないでしょうか。
その納期の永さ・のんびりさ加減は都市伝説を生む程で、以前は納期2年とかザラだった模様ですが、
「最近の納期ってどうなんですか?」と聞くと「うん!早くなった!今なら1年!」と正直な回答。
海の向こうのリチャード・ザックスみたいな「納期数年(適当)」というのと比べりゃ常識範囲なのでしょうが、
一年待てるか?我慢出来るか?そんな事を想像するとツーっと冷や汗出ます。
でもやっぱりドバッツさんのフレームって物凄く綺麗なんですよね〜・・・、こりゃ魅了されますわ。
あまりジロジロ見ていると欲しくなるので目をそらしますが、ドバッツさんの事が忘れられない方は、
ドバッツカタログを数部お預かりしておりますので、お持ち帰り頂き枕の下に敷いて寝て下さい。