Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

「宇田川源流」【日本万歳!】 美しい形ではなく人間との関係を重視する日本人の「許容力」

2023.07.02 22:00

「宇田川源流」【日本万歳!】 美しい形ではなく人間との関係を重視する日本人の「許容力」


 毎週月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。日本人のすばらしさや、日本人を称賛している記事などを見つけ、その内容を皆さんに紹介し、そのうえで、皆さんの毎日の行動に、日本人としての誇りを持っていただくということを目的にして、記事の連載を行っている。

 今週からなんと7月になってしまった。文月という。その語源由来は、様々な意味があるのだが、語源には色々な説がありますがその中の一つに、稲の穂が実る頃という意味の「穂含月(ほふみづき)」が転じて「文月」になったという説、またはむかし七夕に書物を干す行事があって書物(文)をひらく(披く)という意味から、「文披月(ふみひろげづき)」と呼ばれるようになり、それが「文月」になったという説もある。いずれにせよ、既に今年になって6カ月、つまり半分が終わってしまったということになる。若いうちは時間がたつのが遅く、ここから夏休みが始まるまでの「期末試験」に向けた一連の内容は、熱い中で勉強しなければならず、「何が文月だ」などと思っていたのだが、今では「光陰矢の如し」というが、まさに年齢が重なってくると、なかなか時間がたつのが早く感じるようになってきている。なんとなく、この季節に「文」の月としたのは、なんとなく、それなりの教養人と言われる年齢の人々であったのだろうなと思ってしまうのであろう。そしてその内容がそのままここに残っているということは、日本人は、「それだけ心に余裕のある民族(国民性)」ということになるのではないか。私のような年齢になると、なんとなくそのように感じるのである。

 さて、その夏の風物詩、昔は蛍とか風鈴とか、クーラーなどがなくても「涼しく感じる」者であったが、今では「かき氷」や「ソフトクリーム」というようになるのかもしれない。

"ソフト曲がる"道の駅に反響

 ソフトクリームが曲がります――。鳥取県八頭町徳丸の道の駅「はっとう」の駅長・嶋田聡子さん(42)が、道の駅にある喫茶店の男性店主の代わりにソフトクリームを作る際、こんな断りの看板を出している。看板の写真をツイッターに投稿したところ「和む」「練習台になってあげたい」など好意的なコメントとともに、瞬く間に拡散。「何げなく載せただけなのに、こんなに反響があるとは」と驚いている。(林美佑)

 「これでヨシッと……」。ツイッターにこんなつぶやきと、切り取った段ボールに「ただ今、マスター不在のためソフトクリームが曲がります。ご了承下さい」と手書きした立て札の写真を5月4日に投稿。わずか5日間でリツイート(転載)が9269、共感などを示す「いいね」が2・7万に上った。

 ソフトクリーム(1本税込み300円)は、いつもは喫茶店主がきれいなカーブを描きながら滑らかに巻くが、店主が休みの日は嶋田さんが店番をすることがある。しかし、注文が入ってもうまく巻けないことが多く、「お客さんをがっかりさせてはいけない」と「お断り」を入れている。

 店番は多くても月に数日。1日10本ほど作ることもあるが、機械からソフトクリームが出る速さを調節するペダルを踏む力加減や、手元のコーンをどれくらい動かすかの感覚がうまくつかめないことが原因と自己分析している。

 看板を立てた効果もあり、客からは「ソフトクリームだとわかればどんな形でも大丈夫」「コーンではなくて、(失敗しにくい)カップでいいですよ」などの声かけがあったという。

 このツイートをきっかけにフォロワーが200人以上増えたといい、嶋田さんは「世の中には『失敗したら許されない』という雰囲気があるけれど、SNSで正直に伝えたらほっこりしてもらえた」と話す。拡散は予想外だったが「普段は喫茶店主が担当しているので、『指名』は受け付けません」と笑う。

2023年06月28日 07時20分読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12213-2414353/

 さて、私のように昔小売業にいた人間にとっては、気温が30度までは、アイスクリームが売れるのであるが、30度を超えると急にかき氷が売れる。アイスクリームも氷系のアイスクリームが売れるようになる。人間は、やはりあつければ「より冷たいモノ」ということだけではなく「乳製品」というような「脂肪分などが暑さの中に余計に感じる」というような感覚を持っているのではないか。この辺の内容は統計的な内容でしかないので、厳密に30度でしっかりと切り替わるようなものではないのだが、そのような目安があって、それによってPOPを付け替えるなどをしていたことを思い出す。

 さてそのソフトクリームというのは、なかなか面白い食べものである。もともとアイスクリームやプリンなどのデザート系というのは、さらに乗っていてスプーンやフォークで食べるものだが、アイスクリームやソフトクリームは、片手で歩きながら食べることを予定されている。もちろんアイスクリームなどはそのような形になっているが、ソフトクリームは立って歩きながら食べる状況でありながら、その中でぎりぎりの柔らかさを作り出しているところにその特徴がある。

 逆に言えば「やわらかいものを、立って片手で食べやすいようにするために、それなりの技術をもって積み重ねなければならない」ということがあり、それがサービスの中の一つになっている。ソフトクリームの中には、何弾も重ねる(要するに渦を重ねてゆく)ということに価値があり、「○○段巻」のような形で出されていることがある。もちろん、手先が器用で技術を持つ日本ならではのサービスであろう。

 しかし、日本人のすばらしさは、「それを失敗する人に対しても優しい」ということではないか。

 実際に、食べ放題の店などにあるソフトクリームの機械をやってみれば、出てくる速度とソフトクリームのコーンやカップを回転させる速度の問題でかなり難しい状態になっている。私などは今回の記事の主人公よろしく、全くできる者ではない。

 このツイートをきっかけにフォロワーが200人以上増えたといい、嶋田さんは「世の中には『失敗したら許されない』という雰囲気があるけれど、SNSで正直に伝えたらほっこりしてもらえた」と話す。<上記より抜粋>

 まさに、このような「許されない」ではなく、「失敗を受け入れる度量と余裕」があることは日本人の本当のすばらしさではないか。そもそも「技術を必要とするものを安価に提供している」ことを改めて見ることができ、そのうえで、その技術に対して、失敗してもよいというような余裕で対応する。日本は様々なものを開発している国であるから「失敗から新たなものが生まれる」ということをよく知っているのだ。そのことこそ、日本の須原らしさではないか。