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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第6回十字軍18-皇帝フェデリコ北伊制圧

2018.07.14 12:00

元々皇帝はこの世の最高権力者だった。しかし西ローマ崩壊後、西欧では教皇が自分を守らせるために復活させる。それなら皇帝という称号はいらんだろうに、この名をつけたために、皇帝と教皇とどちらが上か、と戦うようになっていった。皇帝フェデリコはまさにローマ時代皇帝を復活させようとしている。

そうなるときに教皇は北イタリアの諸都市(コムーネ)を頼りにする。実にこれらは十字軍を運び、中東との交易で富を蓄えていた。彼らにとっても自由を妨害する皇帝は敵でしかない。フリードリ1世のときに結成されたロンバルディア同盟が、1226年2世で再び結成される。

1236年8月、皇帝はアウグスブルクに1万5千の軍を集め、アルプスを越え北伊に侵入を開始、11月1日ヴィチェンツァを攻撃して、城門を閉める時を与えず市内に侵入し、街に火を放ち市民を虐殺、その徹底さに北イタリアは震えあがった。

翌37年11月コヌテヌオーヴァで待ち受けるロンバルディア同盟軍に対し、皇帝はクレモナに帰還するとのニセ情報を流し、陣を払う同盟軍に皇帝軍が襲いかかり、3千人もの死者を出して大勝した。フェデリコは敵無しに見えた。

下はコヌテヌオーヴァの戦い