確かに今日はここにあって 私たちは生きている
まばゆい初夏の陽射し
あざやかな緑 さわさわと
青い梅の実 たわわに実る
大きなお腹を抱えながら
ふさふさの犬と歩いた田舎道
雨降るたびに伸びる草は
わたしの背丈を軽々と越え
始まりを告げる新月の朝
あなたは生まれた
この愛おしい日々を
忘れてしまうのだろうけど
確かに今日はここにあって
私たちは生きている
この愛おしい日々を
忘れてしまうのだろうけど
確かに今日はここにあって
私たちは生きている
駆け足で過ぎた梅雨
うだる暑さ 西瓜の甘さ
天の川ゆらめく新月の夜に
ふさふさの犬が空に帰った
この愛おしい日々を
忘れてしまうのだろうけど
確かに今日はここにあって
私たちは生きている
「会いたい人に会って」
「食べたいものを食べて」
「好きなことをしよう」
言うのは簡単
今すぐにやるんだよ
今すぐにやるんだよ
迷っている暇はない
今すぐにやるんだよ
この愛おしい日々を
忘れてしまうのだろうけど
確かに今日はここにあって
私たちは生きている
2018.7.14
3月に引越しをして山奥暮らしが始まったのですが、その時にぴったんくん(夫)の実家で飼っていた犬を譲り受けました。
名前はくま子。
妊娠後期、毎日朝と晩、40分ずつのウォーキングに付き合ってくれたくま子。彼女のお陰で、お産に向けて筋力をつけることができました。
いつも笑顔で天真爛漫なくま子。
今朝、息を引き取りました。
子宮蓄膿症という、避妊も妊娠もしたことがない子がかかる病気で、子宮に膿が溜まってしまい昨日から入院していました。今日手術予定でしたが、夜のうちに容態が急変してしまったそうです。
もっと散歩に連れて行ってあげたかった
お子が大きくなったら一緒に遊ばせたかった
あれがいけなかったんじゃないか
これがいけなかったんじゃないか
私は小さい頃からたくさんの生き物と暮らしてきました。別れが来るたびに、もっとこうしておけばよかったのでは…という気持ちがどうしても生まれます。
けれど、後悔先に立たず。タラレバを考えたって余計に悲しくなるだけだということはよくわかっています。
奇しくも、今日は一昨年亡くなった父の誕生日でした。
必ず別れは来る。
互いの人生の中、交差する貴重な時間を大切に。
ドライアイスでひんやりとしたくま子の頭を撫でる。まるで生きているみたい。どうして愛しい人の遺体は怖くないんだろうね。
祖母に触れたことを思い出す
父に触れたことを思い出す
100年後には誰もいない
何かを失うことは
普段、目の前にあるものを大切にしなさいというサインですね。
西日本豪雨があって
災害に遭われた方々の気持ち
かけがえのないものを失った方々の気持ち
そんなことを考えていた最中の、くまことの別れ。今の気持ちを歌にしておこうと思いました。
悲しみに蓋をして我慢すると、いつまで経っても心が癒えないので
こういう時は声を上げて泣くのです。
うわーん!と。赤子のように。全身全霊で。
悲しい時は泣くんだよ。
読んで下さりありがとうございます。
今日もあなたと、あなたの大切な人たちが
穏やかに暮らしていますように。
愛を込めて!
松本佳奈