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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第6回十字軍19-蒙古襲来と英雄ネフスキー

2018.07.14 12:46

1240年恐怖の大王が降りて来た、モンゴルの襲来である。中央アジアの遊牧民族を統一し、軍事組織に変えたモンゴル帝国は東西に侵略を開始。1235年に西方司令官となったバトゥは、ロシアに侵攻し、1240年キエフを占領した。ここにルーシの起源というべきキエフ公国は完全に消滅する。翌年からポーランドを蹂躙し、南下してハンガリーを狙った。

ハンガリー王ベラ4世は逃亡し、臣下につくとしてフリードリヒ2世を頼ったが、あいにくイタリアでとりこみ中だった。とりあえず息子コンラートを行かせたが、1241年4月ワールシュタットの戦いで完敗。モンゴルはさらに南下してウィーンを狙ったが、1242年に大ハーンオゴダイが死去し、次の大ハーン選出のため帰郷したため、危うく難を逃れた。

この機を利用して動き出したのが北方十字軍である。1222年ホノリウス3世は、ギリシャ正教に帰依したロシアに対して十字軍を提唱していた。ドイツ騎士修道会は、1242年エストニアを越えてロシアのノブゴロド公の領地に踏みこんだ。ここで対したのがノブゴロド公アレクサンドルである。彼は1420年、ネヴァ川の戦いでスウェーデンを破り、ネフスキーという称号で呼ばれていた。

4月2日、両軍は凍ったチュード湖で対決し、ネフスキーはドイツ軍を撃退した。この勝利によってノブゴロドの領土は守られ、その後モンゴルに臣従するも破壊は免れ、キエフに代わって北部ロシアが本流となった。救国の英雄ネフスキーは、ロシア正教の聖人になり、エイゼンシュタインが映画で描いている。

下はエイゼンシュタインの映画チュード湖の戦い