読んだ本:ヤバい経済学①
おはようございます。理学療法士の倉形です。
今日は、『ヤバい経済学』という本に関して書きます。
以前、『職業柄、統計や科学的な実験を扱った本を読むのが好き』と書きました。この本も同じように統計データを扱った本です。なぜか、文章の語り口は軽妙で、クスっと笑えます。
書いているのは、次世代のノーベル賞候補の呼び声も高い(らしい)スティーブン・D・レヴィットです。
門外漢なので、細かな違いは許して頂きたいのですが、現代の経済学は、ミクロとマクロ経済学というような経済の現象を解説するだけでなくなっています。社会おけるおおよそ全ての問題に関して計測可能な形の問いに設定しなおし、データを収集し、統計の力を借りて真実を浮かび上がらせるという形に発展しています。
・・・書いていて、全く、伝わる気がしない。。。
具体的に書くと・・・ 例えば、この『ヤバい経済学』という本の中で、大相撲の八百長問題が取り沙汰される数年前に『大相撲には八百長があると思うよ』と書いています。
ちなみに、私個人的にはあまり相撲に関心がないので、八百長があるのか、ないのかに関して何か言うことはできませんし、特に言う気もありません。
内容はこんな感じ。
281人の力士による11年間の計3万2000番の対戦成績のデータを使って調べています。
相撲の力士は、番付が収入や部屋での立場に大きく影響するので、勝ち越しか負け越しかは超重要な問題です。それによって番付が上がったり、下がったりするからです。 つまり7勝7敗で千秋楽を迎えた力士が、8勝6敗の力士と対戦する場合、7勝の力士が負けることで失うものの大きさと8勝の力士が得るものの大きさは一致しないだろうと。
7勝の力士はその日の対戦成績によって番付が上がるか下がるかが決まるからです。 なので、千秋楽で7勝7敗の力士と、8勝や9勝の力士が対戦した場合どうなんだろうというデータを全体のデータの中からピックアップします。
ただし、7勝同士の対戦では八百長は起こらないでしょうし、10勝を超えた力士にはまた別のインセンティブ(敢闘賞)などが付くから、7勝同士の対戦や10勝以上の力士との対戦は除外しています。このあたりの問いの立て方が秀逸です!!
で、下記がデータです。
過去の対戦成績から7勝の力士が勝つ可能性を算出すると50%をやや下回ります。
ですが、この状況での対戦は、80%近い割合で7勝の力士が勝ちます。この時点でむっちゃ面白い・・・、でもこの後のデータもさらに面白いんです。。。。
長くなりましたので、次回に続きます。
今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
理学療法士 倉形裕史