湯田大道ソロギター制作舞台裏⑤
湯田大道
sologuitar LIVE!!
~travels~
前回に引き続き
『MC』
の話です。
必要のないことは話さない、今回はそのための準備です。
ステージでこれは言わない、といくつか決めていることがあります。
●専門用語やミュージシャン特有の用語・略語・記号的な言葉
音楽の流れ方・進み方のことを『コード進行』と言ったり
即興演奏(横文字でインプロヴィゼーションと言う)のことを『インプロ』と略したり
ジャズの名曲のことを『スタンダード』と言ったり、他にもたくさんあります。
ここで取り上げてきた『セットリスト』『MC』もそうですね、なのでステージでは使いません。
こういう言葉が通じるのはかなり限定的な世界だと感じています。
本当にありがたいことに、普段あまり音楽や生演奏に触れる機会の多くない方も
湯田大道ソロギターの公演に足を運んで下さっています。
そういった方と共有できる言葉を選びたい、そう心がけています。
●現実にかえってしまうような言葉・話題
これは自分が観客の立場になったときにも感じることですが、
生の演奏を体験する時間はとても特別なものです。
もちろん音楽を発する立場とっても貴重な機会です。
そのひとときはスペシャルなものであってほしい、そう強く願っています。
『お金』とか『仕事』とか、生活感を漂わせるような言動とか、
不用意な言葉でせっかくの音楽の世界から現実にかえってしまう、
そのような事がないように気をつけています。
●言い訳
楽器や機材のコンディションや僕の体調がどうとか、
そんな言い訳をするくらいならステージに立つべきではありません。
●常套句・定型文には細心の注意を払う
『本日は~にお越しくださいまして誠にありがとうございます』
という常套句なあります。
非常に丁寧に感謝の気持ちを表すとてもいい言葉だと思うのですが
実際に口に出すとどうしても記号的というかマニュアル的になってしまうのです。
それなら『今日はありがとうございます!』とシンプルに言ったほうが
自分の気持ちをしっかり込められるような気がします。
何を語るか、というよりは必要のないものをステージからなくしていく…
そこに重きを置いているんだな、今回あらためて記事にしてそう思いました。
これまでに色々な事を書いてきましたが、音楽ができること、人前で演奏し何かを表現できること、
この情報に溢れた時代にわざわざ足を運んで聴きに来てくださる方がいること、
それがいかに恵まれた特別な事で、どう向き合い何を備えるのか、そこに原点があります。
次で最後の記事にしようと思っています、長文にお付き合いありがとうございます♪
=これまでの記事=