KAWASAKI KDX200SR 1989
KAWASAKI KDX200SR 1989
前々年にKMX125/200をヒットさせ、久々のOFF車人気に活気付いたカワサキが、国内で人気急上昇のエンデューロレースに標準をあてたハイパフォーマンスモデルを登場させてきた。KMX200の最終型(1988y.7) とカタログラインナップを果たしながらも、事実上の後継を果たすべくモデルであって、最新の装備と新機構の採用でライバルを圧倒するスペックがもたらされていた。それまで、アメリカ市場に向けて生産されていた空冷エンジンの'88 KDX200に依然とした人気もあり、市場の専有度を高めるためにも最新モデルの投入が急がれていたのも事実だ。KDX200 R(1989y) となって、水冷化が施されたコンペティションモデルが生まれ、内容さえも共通化された200 SRの強烈さは、当然のように支持されることとなる。モトクロッサーの'89 KXシリーズに準じ、ピストンリードバルブ(KX125のみクランクケースリードを採用していた)が与えられ、“3 WAY KIPS“が装備されたパワーユニットは、コンペティションの200 R(36ps/7,50 0rpm、3.5kg-m/7,000rpm) 同様の数値を稼ぎ出す強烈なインパクトを持っていた。これまでのKIPSに加え、メイン排気ポートの上部にセンターバルブを設け、エンジンの回転数に適応したポートタイミングとポート断面積を得ることで、中・高速域のピックアップ性能を向上。また、低回転時の流量特性に優れたPEキャブレターを採用して、ストリート走行も可能としたフレキシブルさも演出している。フレームは、KX125ベースの2分割タイプとし、ガゼット類を形状変更することで、飛躍的な高剛性を実現している。レースエントリーへの適応性は、各部に当然のように与えられており、特にサスッペンションに関しては、量産公道モデル中最大値のストローク量(F.290mm/R.300mm )を誇り、φ43mmのインナーチューブ径を持つ低フリクションタイプのフロントフォーク、優れたプログレッシブ効果のボトムリンク式ユニ・トラックのリアサスと共に、モトクロッサー並の性能を誇示していた。翌'90年には、倒立サスが与えられた200 R/125 Rがデビュー。かつてのオフ車全盛時のカワサキが甦った。