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KAWASAKI KR−1 S/R 1989

2018.07.16 13:21

KAWASAKI KR−1 S/R 1989

 前年の1988年にデビューさせたKR−1に、開発途上のF3レーサーのポテンシャルを移植している。パワーユニット以外は全面的に改良が与えられ、モデルチェンジとも言える内容の大改造だ。フレーム、スイングアーム、サスペンション、エキゾーストチャンバー、ブレーキ、ホイール、レベー類等々、共通部分は殆ど無い。全長2005mmは共通、全幅690 →695mmに拡大、全高1115→1105mmに短縮、軸距1365→1370mmに延長、乾燥重量は123 → 131kgに増量となる。キャスター角は24°と設定値を同じくして、トレールのみ93→90mmに短縮。ハンドリングは、KR−1の軽快性に対し安定性を増した設定を求めている。切り返し時の挙動がスムーズに、更にコーナーリング中のバンク角の修正にも幅が増したように思えるはずだ。ブレーキそのものは、従来のやや快活な印象からコントロール性を増したようにも思え、高速時にはより確かな手応えが得られている。フロントディスクは従来の280 →300 φと大径化。ブレーキレバーもアジャスタブルタイプが新たに採用されている。ワイドリム化されたホイールは前後5本スポークとし、タイヤはF.100/70-17 → 110/70-17 、R.130/60-18 →140/60-18とグレードアップされた。数値上では変化のない出力だが、KIPSのサブエキゾーストポート断面の拡張や変更や、エキゾーストチャンバーの変更で出力特性は全域で向上。加速性は明らかな違いを体感させてくれる。フレームはカワサキ独自の“e−BOX FRAME“で、スイングアームピボットを20φと大径化。リアサスペンションにはリザーバータンク付きのガス封入式ショックを新たに採用して、剛性と共にコーナーリング性能を高めている。リアの減衰力は、サーッキトレベルでも変化の少ないものになって、常に安定したグリップが図れる。スポーツプロダクション仕様として、ラインナップされたKR−1 Rは、ミッションのギアレシオが異なる〔⑾2.533 →2.357 ⑿1.727 →1.700 ⒀1. 315 →1.409 ⒁1.086 →1.208 ⒂0.962 →1. 120 ⒃0.862 →1.043 /一次減速比2.541共通、二次減速比2.928 →2.666 〕。オーバードライブなしの全域クロスレシオとなり、大径化されたキャブレター(PWK28→35φ)や強化クラッチの採用で、強力で的確なトラクションが得られるようになっている。