たのしい!古典芸能

2つの物語ジャンル

2018.07.17 14:06

こんばんは!


連日の暑さに完全にバテ気味な私ですが、日曜日に国立劇場に歌舞伎を観に行ってきました。


今回はそのお話も交えつつ、前回よりもうすこし詳しく、文楽や歌舞伎で展開される2種類のお話のジャンルについてお話ししていきたいと思います!


さっそくですが、私が日曜日に観てきた歌舞伎の公演というのは、以前こちらの記事でも紹介した「歌舞伎鑑賞教室」という公演。


歌舞伎役者さんによる事前レクチャーを受けてから、実際に演目を観てみよう!という、初心者も歌舞伎ファンもどちらも楽しめる大変楽しい公演です。(チケットもお手頃!)


そんな今月の鑑賞教室の歌舞伎の演目は、『日本振袖始』という近松門左衛門による作品。


この作品は、「古事記」や「日本書紀」に登場する神話、素盞嗚尊(すさのおのみこと)による八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治をベースにして書き上げられたものです。


文楽や歌舞伎のお話では歴史上の伝説や出来事を題材に書かれた作品がたくさんあるのですが、それらの作品群は「時代物」と呼ばれています。


今月の国立劇場で上演されている『日本振袖始』も時代物のひとつ。

劇場では大蛇にちなんで石見神楽の大蛇(おろち)が展示されていました!


写真からはなかなか伝わらないのですが、ものすごい迫力です!


この大蛇が実際にどんな動きをするのかが気になった方は、YouTubeに石見神楽の大蛇の動画があったので、是非観てみてください。

1分20秒あたりから、特に見応えアリです!

これは実際に観てみたい…!



さてさて、物語のジャンルのお話に戻りましょう。


先ほどご説明した「時代物」というジャンルのほかに、もう1つ「世話物」というジャンルがあります。


歴史上の出来事を題材に取り、例えば源義経や、豊臣秀吉のような名高き武将も登場する時代物に対して、「世話物」に登場するのは、ごく普通の「庶民」。


もともと庶民の娯楽として発展してきた文楽や歌舞伎なので、「世話物」に登場するのは観客にとって等身大の存在、ということになります。


そんな「世話物」成立の立役者こそが近松門左衛門なのですが、近松門左衛門については次回詳しくお話しさせていただきたいと思います。


悲しいことに歴史の授業ではその名前くらいしか覚えてもらえない近松門左衛門ですが、文楽にとっても、歌舞伎にとっても、超重要なスゴイ存在なんですよ。


近松門左衛門が文楽や歌舞伎といった日本の演劇史上にどんな衝撃を与えたかを知るだけでも、ツウの域に足を踏み入れたと言って過言ではないかもしれません(笑)


ぜひぜひ楽しみにしていてください!



今日は最後に、気分を変えて国立劇場のゆるキャラを紹介したいと思います!

名刺をいただきました(笑)



運がいいと劇場で会うことのできるくろごちゃん、拍子木3本分の男の子で、本名は国立くろ五郎(笑)


国立劇場で歌舞伎公演が行われる月には、演目にちなんだコスチュームを披露してくれることが一部のファンの間で話題(?)です。


そんなくろごちゃんの今月のコスチュームはというと…





八岐大蛇!!!!

これ、かなり忠実に再現されています!


八つの頭を持つ大蛇をどう表現するかが見どころで、大変面白い『日本振袖始』、土日のチケットは完売してしまっていますが、まだ僅かに平日のチケットが残っている日があるようです。

歌舞伎デビューにもぴったりですので、観に行ける方はぜひご検討ください!


国立劇場のInstagramでは公演情報やくろごちゃんの情報が見られますので、フォローしてみてくださいね!



最後までお読みいただきましてありがとうございました。

それでは、みなさまのまたのお越しをお待ちしております!


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