【ブログ】WELCOME!ROOKIES. 山川一瑳[LO]
WELCOME! ROOKIES.
山川一瑳[LO]
目指すはフットワーク系LO
山川一瑳にとって、大学最終学年は悔しさと充実感を感じたシーズンだった。
常翔学園から帝京大に入学。3年時はリザーブも、昨季は開幕の立大戦から先発に名を連ねた。早大、明大戦でも4番でスターター。そのまま大学選手権まで続くはずだった。だが12月3日、対抗戦最終戦の慶大戦で、左腕にひびが入る。選手権の初戦は3週間後だった。
「あきらめずにリハビリを続けたんですが、(選手権には)間に合わないことが分かった」
一時期はひどく落ち込んだ。だがそこで気持ちを切りえた。
「連覇したいというのが一番にあったんで、しっかり支える側に回ろうと」
ラインアウト、スクラム。LOとしてコンビを組んでいた2級下の本橋拓馬のサポートに徹した。早大との決勝戦はボールボーイを務め、相馬朋和監督の胴上げは、ケガをしていないほうの手で参加した。
「絶対勝てるという思いは、誰にもなくて、対抗戦も大学選手権も、目の前の1試合1試合に挑んで勝っていく感じでした」
試合には出られなかったが、チームを支えた充実感はこれからの宝物だ。
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京都出身。小学校6年でアウル洛南ジュニアラグビースクールでラグビーを始めた。帝京大でもチームメートだった福井翔(現花園ライナーズ)は、小学校からの幼馴染。5年生のとき、アメフトに誘われた。6年生になると今度は「ラグビー、やらへん?」。
「アウルに体験で行って試合に出させてもらったら、烈しさがアメフトよりも上だった。そこに惹かれました」
藤森中でもラグビーを続ける。高校入学時、福井は東福岡への入学を決めていた。山川も体験に行ったが「なんか違うと感じて」。最終的に選んだのは大阪の常翔学園。
「少し根性論もあるところが、僕は好きで。高1のときはうまくいかずに苦労したんですが、高3になって最終的に常翔を選んで良かったと思えた」
直感に従って正解だった。
大学のシーズンを終えた後。トヨタに合流。リハビリを経て4月22日に行われた静岡ブルーレヴズとのミライマッチでメンバー入り。交代出場後すぐ、ラインアウトからトライのきっかけを作った。短い時間だったが、リーグワンのフィジカルを体感した。
「大学とは全然違う。身体づくりを中心的にやっていかないと、またケガをして成長が止まってしまう。まずは1年間、当たり負けしない身体づくりを中心にやっていこうと」
S&Cコーチからは、体脂肪を減らし筋肉で増やすよう指示を受けた。目指すLO像は「フィジカル系より、フットワーク系」。この春夏、肉体改造に取り組んでいる。
「リーグワンのシーズンが終わる前にわかってよかったです」
山川がラグビーを始めたアウルは、ホンダヒートで活躍する藤田慶和もOBだ。
「たまに慶和さんが練習に来て、教えてくれました。僕は“よっちゃん”と呼んでいるんですが、よっちゃんに憧れて、ラグビーを続けようと思った」
年齢差は7歳。まだ一度も対戦したことはないが、ホンダヒートはディビジョン1に昇格。来季のリーグワンでは対戦する。
「メンバーに選ばれて、よっちゃんと試合したい」
小学校時代、憧れていた選手とリーグワンで対戦へ。身体づくりに励む大きなモチベーションだ。
昨季最後となるMIRAIマッチはデビュー戦
2023.4.22 vs静岡ブルーレヴズ