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いわぶち動物病院

歳をとってからの手術。小さい頃のうちに予防することもできていたはずなのに。

2023.07.10 09:36

歳をとったワンちゃん猫ちゃんで、どうしても手術をしなくてはならない、と言うと、子宮蓄膿症の手術をかなりの割合で実施することが多いです。


ですが、歳をとっていれば、歳をとっているなりの問題が存在します。

大抵は他の臓器に問題があることが多い、という所でしょうか。


特に腎臓は、ほんの少しの異常が認められただけでも、手術をする際はどうしても低血圧になるため、ドパミン、ドブタミンという薬を使用して、血圧の維持をしながら手術を行うようにしています。


ですが、そこまでやっても、術後腎不全になる子は一定数出てきてしまいます。

ああ、子供の頃に避妊手術をやっていれば、何の問題も無かったのになぁ。


術後腎不全になってしまった場合、獣医、飼い主がともに考えることです。


もちろん、他の病気に対する手術もあります。

ですが、予防自体が簡単で、予防をしなければ3頭に1頭がかかる病気が子宮蓄膿症です。


つい先週、やはり子宮蓄膿症になって手術を実施したワンちゃんがいました。

術前の血液検査では、軽度に腎臓の数値が悪い、と言った程度でした。

点滴をつけて、ドパミンも入れて、血圧を維持しての手術。

手術自体は成功しましたが、結局は腎不全になってしまいました。


急性の腎不全の場合、慢性腎不全と異なり、点滴を実施することで、腎不全から脱出することができることもあります。

ドパミン、ドブタミンを入れた点滴をして、オシッコをたくさんしてもらうことが理想なのですが、ワンちゃん本人の性格上の問題で、病院や病院スタッフを怖がってしまい、利尿作用もあるドパミン、ドブタミンを使用しているのにオシッコをしてくれない。逆効果になりかねない状況になってしまいました。


現在は午前中のみ点滴をして、午後は帰宅してオシッコをしてもらっています。

どこまで良い効果が出てきてくれるか、ハッキリ言ってわからない状態です。


一番は点滴しつつちょくちょくトイレに行く。腎不全を治すには、それが最善と言えるかと思います。


改めて。小さい頃の避妊手術。決してかわいそうなことてはありません。

長生きをさせるのに重要なことであり、生活上でのストレスを減少させることがわかっています。


若いうちに避妊手術をしていればなぁ、と思わない様に、よく考えてみて上げてください。