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熱電対式分布型張替と受信機取替工事

2023.07.13 03:28

自動火災報知設備の更新工事

【1991年製受信機】

落雷により受信機が正常に機能していないと判明した為、今回更新工事を実施する事になりました。
既設受信機撤去前に既存設備の状況を把握し、受信機の取替工事を行います。事前調査により既存設備の不具合箇所や電線の絶縁抵抗不良が確認されました。



【既存受信機撤去】

【新受信機設置】

150kg程あるので、3人で搬入・設置

設置後に電線を入線、結線作業を行います。

地図式受信機 
「 読むより、見る 」
警戒区域図の発報箇所警戒番号が赤く点灯するので
工場等の広い建物では非常にわかり易く
外観もシンプルで良い。


地図式でない受信機の場合、表示名は「1階北西2」などになり、一見しただけでは火災発生場所を認識するのは困難です。


【絶縁不良箇所の調査改修】
既存電線の絶縁抵抗試験の結果、複数箇所において絶縁抵抗不良と判明した為、まずは絶縁抵抗不良箇所を特定しました。


そして調査の結果、絶縁不良箇所が数カ所あると判明。
熱電対式分布型感知器の張替工事と合わせて、絶縁抵抗不良箇所の改修を行います。


絶縁不良の原因は多岐にわたり、複数箇所露見した為、改修時の取っ掛かりは途方にくれる感じでした。



【熱電対式分布型感知器張替】
熱電対検出器の合成抵抗試験で合成抵抗値が9Ω以上の場合は不良となり改修が必要になります。
合成抵抗値が不良となる原因は熱電対と電線の圧着不良や熱電対線の断線等が考えられ、実際この現場でも多数の検出器で合成抵抗値不良が確認された。


張替え時に確認できた断線箇所は無かった為、合成抵抗値不良の大半は圧着不良によるものか?と考えられます。



では、圧着不良とは何か?なぜ圧着不良は起こるのか?


・・・それは簡単です。


工事している熟練職人そして見習い職人、全てを含めて


・・・人間だから






・・・・・だってにんげんだもの。





車の事故と同じで、事故を起こそうとして車を運転する人なんていないんです。
それと同じで圧着不良になっても良いと思いながら
仕事をする職人なんていない。


ちょっとした気の緩みや勘違い、圧着忘れ、等々が原因として考えられます。


そう、人間は忘れる生き物、そして間違う生き物なんです。そこを間違わないようにするにはどうしたら良いかを考える事が大切。
それを考え実践しました 





熱電対式感知器とは?

熱電対式分布型感知器は工場などの天井が高いところに設置する火災報知器で、見た目は電線です。白い電線に熱電対(赤色の温度差を感知する金属)を圧着接合し天井部分に敷設します。

事前に現地採寸した長さに専用電線を切断し熱電対を仕込んでいきます。

現場では仕込んだ電線を天井に敷設していきます。既存物件では機械等が設置されている為、高所作業車の操作には注意が必要になります。

【まとめ】
地図式受信機に関しては、工事完了後にご担当者様から「めちゃくちゃかっこいい」とのお言葉や、消防検査時に消防担当者様からも「火災発生場所が一目瞭然でわかり易い」とのお言葉を頂きました。建物の規模や形状によっては、地図式受信機が火災発生場所の覚知という点では優れていると感じました。


熱電対式分布型感知器の張替え工事では、高所作業車の進入が困難なエリアや、難しい作業も多数ありましたが、現地工場の作業員様のご協力もあり当初の工程から短縮で完工した事、そして何より無事に消防検査までを完了することができた事に感謝の気持ちが溢れました。


落雷により不具合箇所多数の不安な設備を、万が一の際に正常に作動する安心の設備へ改修する為に、今回も沢山の電線を“つなぎ“ました。


今後は工場の皆様が安心してお仕事に励めるようお祈りいたします。



「安心と暮らしをつなぎ、誇れる仕事を。」