惨事
おはようございます。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、発酵食品
中心のカフェ、テマヒマ
火曜日水曜日は定休日!
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
NHK・Eテレの番組「100分で名著」で先月取
り上げていたのが、ナオミ・クラインの「シ
ョック・ドクトリン」をとても興味深く視聴
していました。そしてその解説を務めていた
堤未果さんの「堤未果のショック・ドクトリ
ン〜政府のやりたい放題から身を守る方法」
も、その流れで買って読みました。
まずショック•ドクトリンとは、テロ、戦争
、クーデター、自然災害、パンデミック、金
融危機、食糧不足、気候変動など、ショッキ
ングなことが起きてる状態で、人々が言わば
パニック、思考停止に陥ってるの中で、普段
は通らないような政策、規制緩和、民営化、
社会保障の切り捨てを三本柱とする新自由主
義的な政策が、惨事便乗的(でも実は惨事の前
に用意周到に準備されている)に導入、推進さ
れていくことを言います。ノーベル経済学賞も受賞した経済学者ミルトン・フリードマン
と、シカゴ大学で学んだ人々(シカゴ•ボーイ
ズ)、その支持者によって行われた•行われて
いる、としています。
堤未果さんの本では、現在・現在進行形の日
本にそれを当てはめ、新自由主義には限らず
考察しています。ショック•ドクトリンを推進
する人達は、「回転ドア」と表現しています
が、民間と政府とを行き来し、自分の関係す
る企業に都合のよい計画にして、受注してか
ら元の職場に戻って出世していて(日本の天下
りも流れは逆ですが一緒ですよね!)、その
特徴を「今だけ•金だけ・自分だけ」と象徴的
に表現しています。
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」という
有名な言葉もありますが、過去や他国の事例
を参考に現在や日本を見るというのは意味が
あると思います。ごくごく直近で言えば、ロシアのウクライナ侵攻とそれを受けての防衛
費倍増、コロナ禍とその渦中でのワクチン接
種推進やマイナンバーカード、はたまた憲法
の緊急事態事項改正、その陰で不当に利益誘
導し悪儲けしている人達がいるとしたら許せ
ないですね。
新自由主義者という訳では決して無いですが
、規制緩和だったり(水道などは別としてある
一定までの)民営化にはどちらかと言えば賛成
でした。このショック•ドクトリンを見たり、
読んだりしたからという訳ではありませんが
少し考え方が違ってきているように思います
。逆に考え方が変わってきたからショック・
ドクトリンについて気になったとと言えます
。その変化は、サラリーマンという安定から
自営業という不安定に移り、実際収入面でも
少なくなったり、あとは年齢(とし)をとって
いくということもあって、弱者になっていく
自覚があるのとは無縁では無いがします。
思えば、民藝運動の中心人物である柳宗悦は
例えば朝鮮やアイヌ、琉球など当時の弱者へ
の眼差しが強くあったと思います。柳宗悦自
身が弱者ではあったとは思えませんが、多く
の人との出会いや交流から、そんな考えに至
ったのだろうと想像します。
同じ事象でも、どこに自分が寄って立つかに
よって見方、見え方は変わるのだなぁと最近
つくづく思います。民藝には、そんな見方を
導いてくれる力があるように考えています。
テマヒマは昨日今日火曜日水曜日で定休日で
す。明日7/13(木)11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。
それでは今日も好い1日を!