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WUNDERKAMMER

押入れのたーくん

2018.07.17 13:20

私の娘が9歳のとき、押し入れをじーっと見ていることが多くなった。旦那も姑もそれに気がついていて、娘に何を見ているか聞いてみるが「たーくん」としか答えない。

ただひたすら押し入れを凝視しながらニコニコしている。その押し入れを見ても特に変わった様子は無い。

以後、私 姑 娘の会話。


私「娘ちゃん、誰と話してるの?」

娘「たーくん」

姑「たーくんはお友達なの?」

娘「出られない子なの」

私「出られない?」

娘「うん、出られない」


いよいよホラー的な何かを感じた私と姑は、旦那の帰りを待ち押し入れの中を隅々まで調べて貰うことにした。

旦那が帰ってきて、押し入れを見てもらう。一件何も無いのだが、天井を叩いてみると、バコッと天井が外れた。

そこから大量の砂と埃が落ちてきたのと同時に、動物の骨が落ちてきた。

もう阿鼻叫喚だったよ。一匹や二匹じゃないんだもの。

初めは猫かと思ったが、旦那が言うにはウサギではないかとのこと。


この家、中古だったんだよね。

前の住居者が飼ってた動物なのではと姑が言った。

気持ちが悪いから、お祓いしてもらった。

お祓いのおじさんは、「小動物の霊は非常に弱々しく、同じく弱い子供の魂と共鳴する」って言ってた。

幽霊は全く信じていなかったが、この件のせいで幽霊を信じるようになってしまった。

現在21歳の娘が、

「あ、あの押し入れの件?あれさ、学校でお化けが流行ってて、家族を驚かせたくてさぁ、わざとやってましたごめんなさいw」とカミングアウトしてしてズッコケた。 


でもある日、姑が「ねぇ、嫁ちゃん・・・」と神妙な顔をしながら話しかけてきた事があった。

娘があの押入れのある部屋で誰かと会話しているという話だ。

初めは私と会話しているのかと思ったそうだが、部屋を覗いてみると誰もいない。

もしかしたら娘は私たちを安心させたくて嘘をついているのかもしれないが、

とりあえずもう押入れにはいきたくない。