医食同源
Facebook石川 眞樹夫さん投稿記事 ヒポクラテスの格言
自然療法医の石川眞樹夫です。
医者になって33年が過ぎました。一方患者としては、0歳での嘔吐下痢症入院からはじまり今まで15回の入院生活を送っていて、うつ病で一度、薬剤性腎不全で一度、交通事故で一度、4年前には、汎発性腹膜炎で一度、合計4回死の淵から戻って来ました。
そんな私が、治療に関してたどり着いた結論は、2400年ほど前にギリシャで活躍し、「医学の父」とも、「医聖」とも呼ばれたヒポクラテスが出した結論と同じでした。
その内容を一番簡潔に示す一文が、ヒポクラテスの言葉として知られている
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」という言葉です。
そして、その内容を深く理解すれば、「どんな病気も、食べ物で治すことが出来る」という意味で受け取ることも出来る言葉です。現にヒポクラテス自身が、「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」とも語っています。
私が院長を務める札幌のクリニック光のいずみの患者さん達には、自然療法の原則を覚えて頂く目的で、『ヒポクラテスの格言』を初診の前にお渡しして読んで頂いています。シンプルですが、健康の維持と疾患からの回復にあたり、ここに書かれた格言の内容ほど重要なことは無いともいえるほどです。
皆さんも自然療法を学び、日々実践していくためのご参考となさって下さい。真実はいつもシンプルで、時代に左右されないものです。
自然療法医 石川眞樹夫
Facebook竹元 久了さん投稿記事
🔵幼児教育の礎を築いた貝原益軒に学ぶ子どもの教育法!
貝原益軒(かいばら えきけん、1630-1714年)という儒学者をご存知でしょうか?
教育書の「養生訓」「和俗童子訓」など、多数の本を著した、江戸時代の本草学者、儒学者として知られています。
今回は貝原益軒の生き方から寛大さ、視座の高さを学んでいきたいと思います。
ある日、外に出ていた間に、留守番の若者が隣の友達と、庭で相撲を取って、益軒が大切に育てていたぼたんの花を折りました。
若者は心配して、益軒の帰りを待ち受け、隣の主人に頼んで、過ちを詫びてもらいました。
益軒は少しも腹を立てた様子がなく、「自分がぼたんを植えたのは楽しむためで、怒るためではない。」と言って、そのまま許しました。
このエピソードからも、益軒の寛大さや、「自分のことは捨てて全体のことを考えている」というような高い視座がうかがえます。
貝原益軒は宝永7年(1710)、81才のときに和俗童子訓を書きました。
本書は世界における幼児教育論のさきがけと云うべきものです。
和俗童子訓の特徴は、子どもは小さいときから早く善い人に近づけ、善い道を教えるべきであると説いています。
人はみな、天地の徳を生まれつきもっているが、教えがなくては、人の道を知ることができない。
人は教育によって、人になるという見方です。
教育がないところでは、人は動物的欲望のままであるというのです。
それ故に、子どもを育てるのはがまんを教え、幼児から早くきままをおさえて、私欲をゆるしてはいけないと貝原益軒は強調しています。
子どものわがままを、いかにしておさえて、人の道を教えていくかが、子育てにおいて重要なことであると主張しました。
特に、豊かな家の子どもにとって、わがままをおさえるために、子どもは厳しく教えることを求めました。
豊かな家で子どもをかわいがりすぎると、子どもは人間にとっての自然的な親孝行の感情が育たず、父母をあなどっていってしまいます。
一方で、子どもに対する教え方としては、子どもが好むことが最も大事であるとして、子どもが楽しめるような教え方をすることが大事と考えていました。
ただ厳しく、教えを強制するのではなく、子どもの好奇心を育てるという考え方を当時から説いていました。
以上のように、貝原益軒の子育て論は、子どもの私欲をおさえ、気ままにさせないで、厳しく、苦労させることが重要であると力説しました。
また、子どもの時からこころをおだやかに、人を愛し、なさけをもつようにし、人を苦しめたり、あなどったりせず、つねに善を愛する人間に育っていくことを意識的に教育しました。
まさに、現代が求めている早期教育と徳育の重要性を江戸時代に発信していたことは驚嘆に値すると思います。
この益軒の考え方が、その後に発展した寺子屋教育および明治以後の小学校教育の基礎となりました。
最後に貝原益軒が残した言葉を紹介して終わりにしたいと思います。
―――貝原益軒の言葉―――
志を立てることは大にして高くすべし。小にして低ければ、小成に安んじて成就しがたし。
天下第一等の人とならんと平生志すべし。善人にまじわれば、その善を見ならい、
善言を聞き、わがあやまりを聞きて、益多し。
三宝出版@sampoh_official
私たち一人ひとりの中には、自分でもまだ知らない力が潜んでいます。
自分が知らない可能性が宿っています。
私たちの魂には、どのような現実であろうとそれをありのままに受けとめる力が眠っています。
https://doctors-gym.com/blog/20230601.html 【1.医食同源の最前線】より
医食同源とは?
日本人が中国の「食薬同源」思想をもとに、新居裕久先生が1970年代に作った造語です。
とはいえ健康と食事の関係は紀元前から知られていて、ギリシャの医師ヒポクラテスが
■汝の食事を薬とせよ、汝の薬は食事とせよ
■食べ物で治せない病気は、医者でも治せない
■満腹が原因の病気は空腹によって治る
■食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか
と記していますし、日本でも江戸時代に貝原益軒が
■腹八分目か九分目でやめる。満腹までいくと「のちの禍」のもとになる
■少肉多菜 少塩多酢 少糖多果 少食多噛
と現代でも理想とされている食事療法は、ある意味遠い昔に完成しているとも言えます。
栄養は足りているのか?
第二次世界大戦後は栄養失調だったこともあり、昭和~平成にかけてはカロリー至上主義ともいえる栄養指導が行われてきました。ただご存知の通り、日本でもメタボリックシンドロームが社会問題になり、またカロリーの摂りすぎだけでは説明できないことが増えてきたことから、栄養学の観点だけでなく食事を見直す動きが生まれています。
下の図にもありますように平均エネルギー摂取量は徐々に減っているのですが、糖尿病の有病率や肥満は増えています。
このパラドックスを説明する一つのキーワードがインスリン抵抗性です。
インスリンとは血液中に含まれる糖分(血糖)を臓器に運ぶために必要なホルモンです。
実は血液中のインスリンの量が増えること(高インスリン血症)は
■太りやすくなる
■老化しやすくなる
■がんができやすくなる
ことが引き起こされることが分かっています。
高インスリン血症はなぜ起きる?
一つの原因は甘いものなどの炭水化物の摂りすぎがあげられます。もう一つ重要な原因としては、インスリンが体内で働きにくくなるインスリン抵抗性があげられます。
インスリン抵抗性は以下の要因で生じます。
■ビタミン・ミネラルの低下
■腸内環境の悪化(食物不耐症、腸内フローラの悪化)
■内臓脂肪の増加
ビタミンⅮ、マグネシウムの不足がインスリン抵抗性を引き起こすので、日光を浴びたり、苦い野菜や雑穀を食べたりすることが重要です。
食物不耐症とはアルコール、グルテンや乳糖などを酵素が足りないなどの理由から、そうした成分が含まれた食事をうまく分解できないことを言います。食べ物が未消化のままで小腸に届くことによって、免疫反応が起きて体調が悪くなることを指します。
欧米ではグルテン不耐症が有名ですが、渋谷セントラルクリニックで検査する限り日本人では乳糖に反応を示す方が多いです。
食物不耐症によって腸内でTNFαと呼ばれる万病のもととなる慢性炎症物質が発生して、がん、認知症、メンタルの不調、変形性関節症や慢性の痛みなどを引き起こします。
最近ではTNFαを撃退する抗TNFα抗体薬が登場して潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、乾癬などに使用され始めていますが、費用も超高額ですので原因となる食事から見直すことは重要だと思います。
こうしたことは渋谷セントラルクリニックで “遅発性アレルギー検査” “ホルモン・栄養検査” をしていただくと調べることができますので、ご興味のある方はご用命ください。
再生医療時代の医食同源
これまでのアンチエイジング通信でもお伝えしてきたように、臓器を若返らせる物質の候補としては成長ホルモン、エストロゲン、テストステロンなどのホルモンや幹細胞、幹細胞上清液(エクソソーム)、PRPなど数多くあります。
今回お話ししてきたTNFαなどの慢性炎症物質はこうした臓器を若返らせる物質の効果を打ち消してしまうことが知られています。
どんなに高い治療をしても、こういったマイナスに触れる要因が残っていると結果が期待できなくなりますので、治療の際には気を付ける必要があります。
何を食べたら若返るのか?
残念ながら、これを食べれば若返るという具体的な食事はありません。
古くはお肉を食べた方が良いという話もあったり、天然物のお魚を食べた方が良いという話があったりしましたが…。
最新の遺伝子工学からするとタンパク質(アミノ酸)の摂りすぎは長寿遺伝子を短くするのではないかという学説や天然物のお魚には水銀やプラスティック由来の有害物質が多く含まれていることも知られてきています。
世の中の状況が変わってきて、悲しいことに昔から良いとされてきたことの常識が変わってきている部分もあるのだと思います。
結論としては、ご自身のからだやメンタルの状況をしっかりと把握して、自分に合ったお食事を選ぶようにしていくことが重要だと思います。
個別化医療の時代にはこうした取り組みがますます進んでいくこととなると予見しています。
渋谷セントラルクリニックの取り組み
イシペディアという医食同源のwebマガジンを発行しております。医療がアップデートされるにつれて、外来でお薬や手術のことしか話せなくなり、お食事やライフスタイルの話をすることが減ったことを憂いて始めた活動です。慈恵医大の同窓生を中心とした専門医と対談形式で病気のことやお食事のことを話しています。
イシペディア https://ishipedia.jp/
今年の5月には富士市に位置する川村病院にてホスピス病棟に入院されている方々に対して “魂のスープ” をお届けする活動をすることができました。
川村病院は2021年度グッドデザイン賞を受賞した素敵な病棟とホスピタリティーあふれる医療スタッフで素敵なホスピスを運営されています。
今回は地産地消の食材を使って、少しでも心に響く時間を過ごしてもらいたいという企画です。食が細くてあまりものが通らないとおっしゃっていた方が美味しい美味しいと言ってスープを飲み干してくださったことの感動は忘れることはないと思います。
【桜エビのスープ】
・駿河湾の桜エビ
・富士市のきくらげ
・アメーラトマト
桜エビとトマトでお出汁を取って、タコ焼き器で桜エビのお団子を焼き上げました!
Facebook竹元 久了さん投稿記事ノーベル受賞後本意を語る❗
🔵本庶佑先生の言葉より ~ 癌の治療薬に注目が集るが、近年急激に癌患者が増えた原因究明こそが本質課題
2018年10月1日に京都大高等研究院の特別教授である本庶佑(ほんじょたすく)教授が、免疫を抑制する効果をもつ「PD-1」という分子を発見した功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞した。
教科書は絶対ではない-本庶先生の言葉より
私はノーベル賞なるものをそれほど評価しないへそ曲がりですが、この度医学生理学賞を受賞した本庶先生の言葉には大いに共感しました。(毎日新聞2018年10月1日 )
ノーベル賞の受賞が決まった本庶佑特別教授の記者会見での主な内容は次の通り。
「重い病気から回復した人からの言葉に研究の意味を実感」
冒頭発言 1992年のPD-1の発見と基礎的研究が新しいがん免疫療法として臨床に応用され、この治療法で重い病気から回復して「元気になった。あなたのおかげだ」といわれるときがあると、自分の研究に意味があったと実感し、何よりうれしい。
--どのような治療に発展させたいか。
この治療は、例え話としては感染症におけるペニシリンという段階。ますます効果が広く及び、効かない人はなぜ効かないのか研究が必要だ。いずれは解決されて、感染症がほぼ大きな脅威でなくなったと同じような日が、遅くとも今世紀中に訪れると思う。
モットーは「好奇心と、簡単に信じないこと」
--心がけていることやモットーは。
研究に関しては何か知りたいという好奇心。もう一つは簡単に信じないこと。ネイチャー、サイエンス(の論文)も10年たてば残って1割だ。自分の目で確信できるまでやる。自分の頭で考えて納得できるまでやる。
--医療の研究の方向性について。
生命科学というのはまだ私たちはどういうデザインになっているのか十分に理解していない。AIやロケットはデザインがあって明確なプロジェクトを組めるが、生命科学はほとんど分かっていない。何が重要か分からないところでこの山をみんなで攻めようというのはナンセンス。できるだけたくさんの山を踏破して、どの山が本当に重要な山か調べる、まだそういう段階だ。1億円を1億人にばらまくと全て無駄になるが、1人ではなく、10くらいの可能性を追求した方がライフサイエンスは期待できる。もっと若い人にチャンスを与えるべきだ。
子どもたちは「不思議だと思う心を大切に」
--科学者になろうと思う子どもに。
一番重要なのは、何か知りたい、不思議だと思う心を大切にする。教科書に書いてあることを信じない。本当はどうなっているのかという心を大切にする。自分の目でものを見る、そして納得する。そこまであきらめない。そういう若い小中学生が研究の道を志してほしい。
引用文中、最も大事だと思われる言葉が、科学を志す若き学生や子供たちに向けられた次の一句です。
教科書に書いてあることを信じない。本当はどうなっているのかという心を大切にする。自分の目でものを見る、そして納得する。
🔷余談
本庶先生は生命科学の現状についてもたいへん良く認識されていると思います。現代科学は遺伝子工学の知見を得たことで生命を理解したつもりになっていますが、癌を根絶することも、新たな生命を生み出すことも今もってままなりません。
遺伝子がたんぱく質の設計図で、それがどの部位を規定するかがわかってきただけであり、設計全体をオーガナイズする機構や、記憶情報が本当に遺伝子内に保存されているかどうかさえまだ未解明のままです。
癌の治療薬にばかり世間の注目は集まりますが、本当に留意すべきは、癌細胞発生のメカニズムもさることながら、近年になって急激に癌患者が増えたその原因究明ではないでしょうか?癌が生活習慣病と呼ばれて久しいですが、生活習慣がここ数十年で変化した割合よりも、二人に一人が罹患すると言う患者数の急激な上昇割合の方が、それを大きく上回っているのではないでしょうか。
そうなると、主な原因は生活習慣などではなく、「食事や生活環境に因るものの度合いが大きいと考えられます。」具体的には、食品添加物・農薬・化学物質や放射性物質・電磁波による環境汚染・etcとなりますが、新薬の開発と平行して発生原因の除去に努めるのが正しい科学の姿勢だと思われます。
マクロ的に考えると、化学反応とは電子のやり取りであり、癌を含め多くの疾患は体内の電子交換プロセスが阻害された状態だとみなせます。電子交換を阻害する物質には、プラスに帯電した重金属イオン類や放射性物質などがまずあげられ、これに加え、電子を奪う塩素などのハロゲン元素も阻害要因の一つであると考えられます。
こういう物質が世に満ち溢れているのを放置したまま、特効薬にのみ期待を寄せる現状を大いに憂います。