リハビリって泥臭いものですよ?(科学的に見て現代最良の脳卒中のリハビリも泥臭いです)③
おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士というのはリハビリ専門職の一つです。
前回の続きです。前回は、リハビリの主役は患者さんにという流れが加速している。というところまで書きました。この話は今回で最終回です。
リハビリは、おまじないの類ではなく、サイエンスです。『サイエンスに支えられたアート』なんて言います。サイエンスであるならば、どうしてもある種の曖昧さが付きまといます。なぜならば、サイエンスの定義の一つが「反証が可能であること」だからです。
今現在、最も有効とされている治療が、将来、より説得力のある研究結果が出現することでひっくり返る可能性もあります。ですので、なかなか言い切り型の提案ができません。 一方で、一部のリハ専門職や周辺の職種の方が、色んな場所で色んなことを言います。中には強い言い切り型のメッセージを発信する個人・団体もあると思います。この記事の①で挙げた「一回の施術で確実に痛みが取れますよ」といった類のキャッチコピーです。 ご自身が稼いだお金やご自身のお時間を何に使うかはもちろん個人の自由であって、他人がとやかく言うモノではありません。ただ、効果のないものに貴重な資産を使ってしまう前に(なかなか効果の有無を見分けるのは難しいですが・・・)、
- リハビリって結構泥臭いものだよ。
- リハビリが科学である以上、ある程度のあいまいさは付きまとってしまいます。残念ながら・・・。
という2点を思い出していただき、一度立ち止まって考える習慣をもって頂けると幸いです。
ちなみに、トレーニングを受けていない医療職でない方が論文を読んで、というのは難しいと思います。ですので、下記のリンクの本の中にある「5W1Hで医療に関するメディア情報を判断する」というのは有効だと思います。(おすすめ本ですが、別にこの本が売れることで私にインセンティブが入るとかではないです)
最後に、ここまでの話や提案は、リハビリを受ける側の方だけでなく、リハ専門職の方にも提案したい内容です。ご自身が参加される講習会であったり、読む本などがあまりに強く言い切り型のメッセージを発していたら、「すげ~!!」と思う前に一度立ち止まって「本当??」と考えて頂けると幸いです。
今日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
理学療法士 倉形裕史