ダンのこと
2023.07.13 14:18
新しい小説(文庫)の表紙を決めるために、パグの写真を探していた。ダンの動画が出てきた。もう15年くらい前になる。殺伐とした自分に愛着を与えてくれていたと思う。ペットロスの患者さんが時々くるが、その気持ちはわかる。ダンはストレスでイライラしていても、凹んでいても、いつも尻尾を振って私によってきてくれて、クンクンと私の臭いを嗅ぐ。こちらの気持ちを察するように接してくれる。
私は大腸がんのステージ4と診断されて悲嘆に暮れて、一人で家に帰ってきた時もダンは、歩いてきて、横に座った。
私はダンを抱き、そのぬくもり、匂いを感じた。そして、涙した。
同級生や後輩の献身でがんは取り切り、私は元気になっていく。しかし逆にダンは元気がなくなっていった。1年後の私の再発検診で私の肝転医は全部消えた。しかし、その1週間前にダンは原発巣のわからない転移性肺がんで死んだ。
私の身代わりに、ダンは転移がんをもっていってくれたのだと思う。
当時、よく聞いていたStay Goldは、今でも私はげましてくれる。
最も母性的な感じが出ている、宇多田ヒカルさんが歌う
「大好きだから、ずっと、何にも心配いらないわ・・・」