宮崎・JAZZ&SPIRITS FAR CRY(ファー クライ) ③18/07
【訃報】23/2、みやおさんがお亡くなりになられました。その記事はこちらまで。
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久しぶりに訪ねてきました宮崎市内の繁華街・橘通中央商店街の近くにあるJAZZ&SPIRIITS FAR CRY(ファー クライ)さん!
と書くとどこか違和感を感じてしまうこのお店。
感覚的には、マスターのみやおさんと再会してきました!という表現が一番ピッタリ。
それは、このお店が近くにあるライフタイムさんを始め、老舗の雰囲気を堪能出来るジャズ・バーとは対照的な存在で、ジャズは流れているものの、「みやおさんの書斎」という雰囲気が色濃く漂うバーだから。
そのことは「うちにジャズを聴きに来る常連は3人しかいない」というお言葉にも表れていると思いますが、みやおさんはジャズに留まらない魅力の持ち主。
考えてみれば、私がこのお店を初めて訪れたのはまだ昨年の1月。
しかも、2回目の訪問から常連さんのように扱っていただいていますが、それもみやおさんの優しく温かい性格、人に深くかかわってしまう性分によるもの。
嬉しくもありがたい話です。
そして、こんなみやおさんに惹きつけられるのは基本的に一匹オオカミの人?
今回は伺った時間が早かったこともあり、その20数年来の常連さんにして、ジャズにそれほど興味のない方々と初めて同席させていただきましたが、その念を強くしました。
ただ、よくよく考えてみたら、ジャズ喫茶/バーに強く惹きつけれられる人にも同じタイプの人が多いのも事実で、そう考えれば、みやおさんはジャズ並みに中毒性が強く魅惑的だということでしょうか?
実はみやおさんはクラシックも聴くというお話から、年末に宮崎でもコンサートがあるというヒラリー・ハーンのバッハの無伴奏ヴァイオリンを聴かせていただいている内に、時間は既に24時過ぎ。
そして、このお店にジャズを聴きに来る常連さんの一人 Kさんが到着。
Kさんとは昨年ライフタイムさんで知り合って以来のおつきあいですが、筋金入りのジャズ・マニア。
今春、ご出張でご来福された際、天神南・JABさんで落ち合って以来の再会でしたが、お仕事帰りにわざわざ寄っていただき、これもまた嬉しい話。本当に感謝です!
そして、このメンバーが揃った時のこのお店は、正真正銘のジャズ・バー。
最近、ジャズ喫茶/バーを興奮の坩堝に叩きこんでいるこのコルトレーンの未発表音源を始めとして、今回も色々聴かせていただきましたが、中でも良かったのが、エルヴィン・ジョーンズのドラムとリチャード・ディヴィスのベースの二重奏で始まるへヴィー・サウンズ。
みやおさんはこの二重奏を新宿ふーてん時代※に聴かれたそうですが、その凄いとしか言い様のない太くて独特の音に涙が出たという逸話つき。
※今も伝説として残る阿部薫氏や鈴木いづみ氏と飲み、「冷やし中華愛好会」で坂田明氏と絡み、新宿ピット・インのマネージャー達と飲み歩いていた。その新宿ピット・インに阿部薫氏のソロ・ライブに行ったら何と客は自分一人。途中で帰ろうとしたら、マネージャーから水割り1杯で引き止められ、結局最後まで一人で聴いた等々、日本のジャズが熱く燃え上がっていた時代に、新宿でフーテンとして過ごしておられたそうです。
このアルバムは熊本・八代のミックのマスターに写真のネガが裏だというお話で教えていただいたのですが、こんなにいいアルバムだったらあの時ちゃんと聴かせてもらうんだったと、少し反省した次第。
またその他にも、最近、一見さんが何人か続いて来店して驚いたという話を皮切りに、第2回冷やし中華愛好会での坂田明さんとの逸話やら甥っ子をジャズ者にしてしまったお話、兵庫でジャズ喫茶「Far Cry2号店」をやりたいとおっしゃっているご夫婦のお話等に飛び、その目立つ風貌からか、道行く知人からも声をかけてもらえない趣味のサイクリングのお話やら、お亡くなりになられた桂歌丸師匠のお話から落語論、1字の助詞をどうするべきか悩む俳句の世界まで。。。やっぱりみやおさんを囲んで過ごす時間は楽しい。
いつもながら時間を忘れてしまい、夜更かししてしまいました。
多くの人に「心の拠り所」として愛されているこのお店。
他のジャズ喫茶/バーも同じですが、多くの人を悲しませますので、「いきなり」店を閉めるようなことはしないでくださいね!
よろしくお願いいたします。また戻ってきます。
【駐車場:無(近隣にコイン・パーキング有)、喫煙:可】
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