蓮の花(パドマ)
Facebook石川 眞樹夫さん投稿記事
蓮華生真言(パドマ・サンバヴァのマントラ)
「蓮華生真言」と書いたマントラは、チベット密教の祖師であるパドマ・サンバヴァ(グル・リンポチェ)の真言で、私のNLPの師であるアンナ・スウィル先生から、20年以上前に教えて頂いた真言です。
オームは「αからωまで」、「始まりから終わりまで」を意味しており、無限の神の体=仏身を意味します。サハスラーラチャクラの真言です。
アーは仏の言葉を表し「言葉は神であった」という聖書の一文に対応します(父なる神の分身としてのキリストの事ですね)アジナーチャクラに対応します。
フームは仏の心(悟り・仏性)を意味します。これがキリスト教では聖霊に対応することは大変意味深く感じられます。喉のチャクラ、ヴィシュダーチャクラの真言です。
ヴァジュラは金剛(ダイヤモンド=至高の輝き)を意味し、愛のチャクラであるアナハタチャクラに対応します。無私の愛は至高の輝きであり何ものもそれを汚すことも壊すことも出来ない事を意味しています。形のないもの、ゼロであるものは決して壊れることはありません。
グルは導き手(師)を意味し、マニプーラチャクラに対応します。「学ぼうとする意志」を持てば師は現れるという状況を作ります。
パドマは白蓮華を意味し、生命力が汚れなく開花する状態を示しており、スヴァジスターナチャクラに対応します。
シッディは成就(到達)を意味します。上からの力が、最も物質的で強力なパワーを秘めるムーラダーラチャクラの力と結びついた状態を示唆するものと思われます。
これらの言葉の最後にもう一度、「かくあれかし=アーメン」という意味のフームを唱えて、『オーム・アー・フーム・ヴァジュラ・グル・パドマ・シッディ・フーム』というパドマ・サンバヴァの祈りと瞑想のマントラになります。
https://www.yoga-gene.com/post-49315/ 【美しい花から学ぶヨガの教え ー蓮の花とパドマ・アーサナ(蓮華座)ー】より
ヨガを象徴する花というと、蓮の花が思い浮かびます。
蓮の花はサンスクリット語で「パドマ」です。「パドマ・アーサナ(蓮華座)」は瞑想のポーズとしてもっともポピュラーなものですね。
どうして蓮の花がヨガの花として知られているのか、そしてパドマ・アーサナの効果についてご説明します。
古代インドから愛される蓮の花(パドマ)
私たち日本人にとっては仏教の寺院などで蓮の花を目にすることも多いです。仏像は蓮華の座の上に座っていることが多く、仏前に蓮の花の彫刻が飾られることも多いですね。
仏教では「淤泥不染(泥より出づるも染まらず)」と言い、どれほど劣悪な環境でも染まらずに清くいることの象徴として蓮の花が愛されます。
インドで蓮は国花として愛されています。
インドでの蓮の花の歴史は古く、インダス文明の遺跡でも見ることができ、紀元前2000年の頃には蓮の花はすでに聖なる花として愛されていたようです。
インダス文明、モヘンジョダロ遺跡で有名なシヴァ神のモチーフもパドマ・アーサナのような姿で瞑想を行っているように見えます。古代からパドマ・アーサナは瞑想のポーズだったのですね。
バガヴァッド・ギーターにも書かれた蓮の神聖さ
教典『バガヴァッド・ギーター』の中でも、ヨガに成功した人を蓮の花に例えています。
全ての行為をブラフマンに委ねて行動し、執着のない人は、罪によって汚されることはない。蓮の花が水に汚されないごとく。(バガヴァッド・ギーター5章10節)
仏教と同じように、ヨガでも蓮の花は清らかさの象徴と考えられています。
蓮は、池の底の泥に根を張り、水面まで茎をのばし、葉は泥水の上に浮きます。撥水作用がある蓮の葉は泥水に塗れても泥に染まることがありません。
どれだけ過酷な環境にあっても、自身の内側の純粋さに意識が結びついている人は、蓮の花の様です。
現代においてもインドは日本に比べてずっと貧富の差がひどく、気候的にも衛生的にも過酷な環境です。そのような国に生まれると、子供の時から詐欺や窃盗を行わないと生きていけない人も多く、人の悪意や怒りを感じる場面も遭遇します。
しかし、そのような環境でも自分を騙そうと近づいて来た人にさえ誠実に接し、悩みがあっても他人のせいにすることなく、自身の純粋さを保っている人に会うと、ひときわ感動します。
特別なヨガの鍛錬を行っていなくても、そのような人はクリシュナ神の説くカルマ・ヨガを誠実に実践できているのだと感じます。
新型コロナウイルスでロックダウンが続き巡礼者が消えたヨガの聖地リシケシを訪れました。リシケシには毎年何万人もの外国人がヨガの修行にやってきますが、昨年のロックダウンから外国人生徒の姿は消え、現在はほとんどのヨガシャラ(道場)がクローズしています。
そんなリシケシで長年ヨガを指導し続けている先生に会いに行ったとき「仕事がないなら楽しめばいいじゃん」と言われました。先生の名前はカマル先生で、ヒンディー語で蓮を意味します。
インドではロックダウンで沢山の人が職を失い、連日深刻なニュースとして取り上げられている頃でした。周りがどれだけ過酷な状況だと騒いでしても、今の現実に歯向かうこともなく、受け入れて、その中で楽しみを見つけている様子は、まさに蓮のように自由だと感じました。
蓮の花とインドの女神たち
蓮の花とインドの女神たち
蓮の花は聖なる象徴として、インドの多くの神々と共に描かれます。
その中でも有名なのは、富と美しさ、豊穣の女神であるラクシュミーです。ラクシュミーは赤い蓮の花の上に立ち、両手に蓮の花を持ちます。ラクシュミーは日本でも吉祥天として知られています。
弁財天として知られるサラスワティ女神は白い蓮の花に座った姿で描かれることが多いです。サラスワティ女神は学問、音楽、言葉などを司る美しい女神で、音楽を志す人にも愛されています。
また、世界の創造主として知られるブラフマーは、ヴィシュヌ神のヘソから伸びた蓮の花の中から生まれたという神話があります。バガヴァッド・ギーターの中でも「蓮の花に座した主ブラフマー」という表現があり、世界の創造とも深く関わりのある花と考えられるのかもしれません。
インドの3大神とは?世界は「創造・維持・破壊」でできている
ヨガのアーサナで最も称賛されるパドマ・アーサナ(蓮華座)
多くのヨガの古典教典で最も称賛されているアーサナはパドマ・アーサナ(蓮華座)であり、仏教では結跏趺坐(けっかふざ)と呼びます。
パドマ・アーサナはあらゆる疫病の破壊者と呼ばれる。(ハタヨガ・プラディーピカ1章47節)
パドマ・アーサナは慣れないとヒザや足首に負担がかかって痛みを感じる人もいます。しかし、慣れると長時間座っても全く疲れない安定した心地いいアーサナで、プラーナヤーマや瞑想にもっとも適したアーサナです。
パドマ・アーサナは腹部の内臓の調子を整えます。ヨガでは、消化の力が健康のためにとても大切だと考えられているので、胃腸の働きが正常になることで病を避けることができると考えます。
エネルギー的に考えても、パドマ・アーサナはクンダリニー(潜在能力)を呼び覚ますのに最適な座り方です。内側のエネルギーを清浄化して、あらゆる不純性や苦痛の原因を破壊することができます。
清浄な両足を両方のマタの上に置いて坐る。これがパドマ・アーサナであって、すべての悪を滅ぼすことができる。(ハタヨガ・プラディーピカ2章59節)
このパドマ・アーサナで座った状態でバストリカというプラーナヤーマを実践します。この実践によって、クンダリニーは素早く呼び覚まされ、ナーディ(気道)は浄化され、快感を感じます。
このようにハタヨガでは、パドマ・アーサナでプラーナヤーマを行い、内側の潜在的なエネルギーの働きを開花させることによって、解脱を得ることが考えられます。ヨガを行う人にとって、安定したパドマ・アーサナで座ることはとても大切なことです。
ハタヨガでナーディー(気道)を清浄してエネルギーを整える方法
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蓮の花で描かれるチャクラ
蓮の花で描かれるチャクラ
ヨガを行う人にとって蓮の花で思い浮かべるものにチャクラがあります。チャクラは体内にある7つのエネルギーの集まる場所です。
7つのチャクラは、ヤントラと言われる模様で描かれますが、チャクラは蓮の花の形で描かれます。
ヤントラはタントラの人たちが使う象徴的な聖なる図形です。ヤントラの図形にはエネルギーがあり、瞑想の補助としても使われます。
それぞれのチャクラはそれぞれ花びらの枚数が決まっています。
ムーラダーラ・チャクラ:4つの花びら
スヴァディシュターナ・チャクラ:6つの花びら
マニプーラ・チャクラ:10の花びら
アナーハタ・チャクラ:12の花びら
ヴィシュダ・チャクラ:16の花びら
アージニャー・チャクラ:2つの花びら
サハスラーラ・チャクラ:1000の花びら
チャクラを活性化させるチャクラ瞑想を行う時には、それぞれのチャクラの蓮の姿を思い浮かべ、チャクラのエネルギーを活性化させる1音のマントラを唱えるととても有効です。
チャクラってなに?意識することでヨガの効果が倍増
ヨガで蓮の花のような人を目指してみましょう
ヨガととても関わりの強い蓮の花は、日本でも様々な場所で見ることができて、本当に美しい花ですよね。水の上に浮くように花を咲かせる姿は、とても幻想的です。
柔らかい色で可憐な花も、池の水の中では真っすぐに力強く上方に伸び、外の世界(泥)に染まらない自分自身をもっています。
ヨガで目指す美しい人も、蓮の花に似ている気がします。
周りの人に対しては慈悲喜捨の心を持ち優しく、自分自身に満足し、外の世界に囚われない自由な心を持つこと。
自然の中の美しい花からも、ヨガの教えを学ぶことができますね。