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異邦人は真夜中に漂う

2018.07.19 09:53

もう20年以上、繰り返し読んでいるサローヤン。

なんとなくなんちゃってサローヤン風に散文書いてみたくなりました。


photo by Wonderlane

深夜2時の部屋は

水槽のなかにいるような気分にさせる

白熱灯の灯りをごくごくかすかにしぼると

テレビ画面が放つ、極彩色の放射線が四角い部屋を縦横に走り

白い壁に投影されてゆらゆらとカーテンのようにそれは蠢く


まるでそこだけが世界だと、いわんばかりにそのなかに取り残されたようにして

さらに正確に記すならば、

膝小僧を抱え込んで、ひどく自分が弱い存在になってしまったかのように困惑し

うずくまりながら見るともなしに観るテレビの

音はもはや耳には届かないでいるのだった


不思議な高揚と膨大な疲労にのまれて

なぜか少し愉快な気分になっている

水槽のなかに漂っているような

そんな気持ちになってしまう


外は灼熱、時折ジジと鳴く蝉

カランと氷の解ける音

冷えすぎた体


いつも思う

夏なのにこの冷えすぎた体は一体

ゆらゆらと水槽のなかで漂いながら

どんどん自分を見失っていくような

そんな夜が更けてゆく