緊急!!暑さに負けない準備をしよう!!
こんにちは!
中京大学大学院の榎将太がお話しします。
今回は熱中症と筋痙攣に関してお話ししたく、急遽記事を作成しております。
今年はニュースでも多数取り上げられるように、熱中症が各地で頻発しております。
7/17に中京大学がある豊田市の小学1年生の男児が熱中症で亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。
暑い日が続いており、外で練習することが危険な状態です。
これから夏休みに入ると、日中に練習を行う機会が増え、また大会等では長時間猛暑にさらされる可能性が高まります。
この暑さから身を守るために、何が出来るでしょうか。
【WBGTとは?】
多くの学校ではWBGT(暑さ指数)を計測していると思います。
WBGTとは気温と湿度と輻射熱(地面・壁などからの熱)から算出し、25度以上となると熱中症に警戒するべきだと提唱されています。
また気温35度以上・WBGT31度以上の場合は、原則運動を中止するようにとされています。
ここ1週間(7月中旬)の日中はこの数値を余裕で超えていましたね…。
「そんなこと言っても、練習しなきゃいけないし…」
というのが多くの人の思っていることかなと思います。
しかし、死亡するかもしれないという危険性がある中での練習にどれほどの意味があるでしょうか?
暑い中での練習で質の高い練習はできるのでしょうか?
深部体温(体の核心の体温)が40度を超えると、パフォーマンス低下を引き起こすとの報告があります。習慣的に日中(暑い時間)練習をしているのであれば、思い切って夕方の涼しくなってきた時間から練習をしてみましょう!
「そんなこと言っても、日中しか競技場が使えないんだよ(怒)」
そんな皆さんは、“十分すぎるくらいの準備”をして、練習しましょう。
【暑さへの準備とは?】
熱中症対策(暑熱対策)で重要なことは『体を冷やす(冷却する)』ことです。
体を冷やす際には以下の点について、頭に入れておきましょう。
・運動前、運動中、運動後、それぞれのタイミングで体を冷やす!
・体は外からも中からも冷やすことができる!
①運動前にできること
運動前にあらかじめ深部体温を下げておくことで、深部体温が過度に上昇するまでの余裕を作ります。
運動前にできる冷却法には、冷水浴(9~20℃:水道水より冷たいもの)とアイススラリー(シャーベット状の氷飲料)の摂取があります。
ここで注意すべきことは、筋温(筋肉の温度)を過度に低下させることなく、深部体温を下げることです。
②運動中にできること
運動中に体を冷やすことで、体温上昇を抑えることが出来ます。
〇霧吹きなどで水を体に吹きかけるor氷などを体に当てる
水でも蒸発しやすい、霧状のものを使うと気化熱によって体温が下がりやすいですね!
汗も同じ原理で体が体温を下げるための生理現象なので、タオルなどでふき取ってあげて蒸発しやすくしてあげましょう^^
氷を当てることは皆さんもやったことがあるかなと思います。
しかし、氷を当てる部位によっては逆効果になってしまいます…。
首の後ろなんかを冷やすと体が寒いと勘違いして、逆に体温が上がってしまうこともあるそうです。
練習や試合中に氷を当てる場合には、手や足がおすすめです。
ある研究では、手や足を冷やすことでパフォーマンスが低下せず、体温を下げることができたと報告されています。意外ですよね!
〇水分補給をする
十分な水分補給は体温を下げ、脱水状態にならないために重要です。
体水分が2%失われるとパフォーマンスは低下すると言われています。
こまめな水分補給をしましょう!!
飲む水分の内容も大事で、真水ではなく、○○○スウェットやアク○○アスなどのスポーツドリンクを飲むと失われた水分とナトリウム(塩分)を摂ることができます。
ナトリウムの摂取という点では、対策用のタブレットなんかもありますね!
真水だけでは不十分です・・・。
また先ほど紹介したアイススラリーを摂取すると、胃にある暑さの受容器が冷たさを感知し、発汗を抑え脱水を防ぐ効果があるとされています。
〇日陰や風通しの良いところで休息をとる
こまめな休息が大切です。
15分に1回などタイミングを決めることもよい方法かもしれません。
指導者の方も十分な休息をとりましょう。
③運動後にできること
運動中に上昇した体温を、運動前まですぐに冷やすことが重要です。
運動後、また次のトレーニングへのリカバリーのために必要なことです。
冷水浴を行いましょう。
また冷水浴をする前に、十分に水分補給を行ってください。
脱水状態では効果が少なくなります。
ここまでが暑さへの準備、体の冷やし方です。
では、もし熱中症が起こってしまったら、どうすれば良いでしょか?
【熱中症が起こったら?】
もしも熱中症が起こってしまったor疑いがある場合の対処法です。
①救急車を呼ぶ。
意識がない、言動がおかしい、嘔吐している、ぐったりしている…
手遅れにならないためにも、まずは救急車を呼びましょう。
②氷水に入れる
救急車が来るまでの間にできるだけ、発症者の体を冷やす必要があります。
最近の主流はCold Water Immersion(CWI)です。
簡単に言うと「氷水にいれる」です。
溺れないようにしながら、深部体温が下がるのを待ちます。
そのため練習中は万が一に備え、冷たいプールを用意しておくと良いでしょう。
プールがない場合は、体に氷を当てましょう!
太い血管が通っている首の横側や脇の下、骨盤の前などが効果的です。
もちろん熱中症にならないためにできることをしましょう!
体温が上昇することによって気持ち悪くなる、頭が痛くなるといった症状は、熱中症です。
経験したことがある人も多いと思います。
誰もがなる危険性があり、軽視されがちです。
侮らず、最大の準備をして練習・試合に挑みましょう。
一人でも熱中症による被害者が減るための勇気ある決断 (プールの購入?練習時間・内容・場所の変更?) に取り組みましょう。
夏も元気いっぱいで跳べるように、暑さへの準備も大切にしてください!
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回は、筋痙攣についてお話しします。
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