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藤田晋 invitational RTDリーグ

最終節開幕!内川vs萩原の準決勝進出争い!多井vs松本の残留争い! RTDリーグ2018 BLACK DIVISION49-50レポート

2018.07.22 10:00

7/19(木) 21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 BLACK DIVISION 49-50回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


▼▼▼BLACK 49回戦:内川vs萩原の準決勝進出を賭けた直接対決▼▼▼

ついに最終節、見どころは大きく2つある。

1つは準決勝進出の4位を賭けた内川と萩原による争い、もう1つは多井・松本・村上による残留を賭けた争いだ。

まずは、前者の内川と萩原が同卓。この直接対決は準決勝進出争いの結果に直結する可能性が高いと言っていいだろう。

その2人の中でも、注目はやはり内川。

対局前にこんなコメントをしているが、そもそも内川がこのコメントをしていること自体がおかしいのだ。

少し思い返してみてほしい。300以上のマイナスを抱えていた内川が、今や準決勝進出戦線をリードして迎えている。この盛り返し方は異常である。

その盛り返しのポイントは何だったのだろうか。

私は、この仕掛けだと思っている。

内川は、ダブ東アンコの両面×2というイーシャンテンから5sをチーして2,900のテンパイを組む。5sが3枚目であるため仕掛けるのが自然にも見えるが、序盤戦で内川はマンガンが見えるこういう手牌ではほとんど仕掛けてこなかった。いや、そもそも序盤戦の内川なら、ホンイツを目指してこのイーシャンテンになっていない可能性さえある。それほど大振りしていたのだ。

しかし、その打ち方でマイナスを300以上抱えたまま中盤戦に入ると、こういう軽い仕掛けを入れるようになったのである。それが功を奏して一気にプラス域まで突入した。

今回も、この軽快な仕掛けから、白鳥がリーチときたタイミングでツモアガリ。この仕掛けこそ、シフトチェンジした内川をよく表している仕掛けだと思うのである。

一方、自動降格の8位からなんとか脱したいが、終盤戦を通して本当にアガリが遠い村上。

2枚切れのドラ単騎でリーチにいく。

これに対する萩原。

オヤで高目タンピン三色のイーシャンテンに東を掴む。村上はリーチの直前に2mをトイツ落とししており、単騎待ちというのは盲点になるため、当然の放銃だと思われたが、なんと萩原は東を止めて打7mで凌ぐと、東を押さえてオリに回った。

挽回しなければならない状況の村上ならば、ドラ単騎のメンツ手を目指していることも十分考えられるし、2mの空切りだってあると考慮したわけである。

どんなに勝ちがほしい状況でも、絶対に相手を舐めない。シーズンを通して萩原が善戦した背景にはこの姿勢があったように思う。それがこの村上リスペクトによる東押さえ込みにつながった。

この放銃回避でなんとかトップ争いに踏みとどまった萩原だったが、東4局に萩原の4m7mリーチに対して内川が同じ待ちをツモ。

衝撃的な2,000・4,000で内川にトップ目の座を明け渡す。

しかし、南2局では、フリテンながらアンパイがないためリーチに押してきた内川の6pを捉えて2,600。

正に一進一退の攻防で南3局を迎えると、内川が南をポン。

1,000をアガってもトップを決めるようなアガリにはならないため、やはり序盤戦の内川ならこれもホンイツに向かっていたように思うが、堅実に1,000を取りにいった。

これに対し、萩原も応戦。

内川が仕掛ければ萩原も仕掛ける。内川に合わせ、萩原にしては珍しいタンヤオのみの仕掛けを入れていく。

しかし、ここを制したのは内川。

1pチーでテンパイを組むと、ヤマに生きている7mに受け、すぐにツモアガリ。

オーラスもアガり切った内川が、準決勝進出に大きく前進するトップを勝ち取った。


▼▼▼BLACK 50回戦:多井vs松本、入れ替え戦7位を回避する戦い▼▼▼

今期から8位は来期出場停止、7位はシーズン後に行われる入れ替え戦に回ることとなっている。

現状、入れ替え戦ポジションにいるのが7位の松本だ。

ただ、松本に慌てる素振りはない。冷静に戦況を見つめ、多井との直接対決2連戦を活かして多井より上に立っておくという明確な目標を語る。最終戦は1278位卓、3456位卓という卓組となるため、より7位になりにくい3456位卓に入りたいという意図だ。

開局、多井の1人ノーテンで幕を開けた。

すると、松本2連続1人テンパイの後、松本が2,000オール。

これで松本がかなり差をつけたトップ目に立った。

この展開は、終盤戦の多井を象徴しているようだ。終盤戦、多井はノーテン罰符でかなり差をつけられ、相手に伸び伸び打たれてしまう展開でジリジリと点数を減らすことが多かったように思う。

今回も正にそんな展開で、ノーテン罰符によって松本に10,000点ほどの差をつけられてしまっていた。

そして、瀬戸熊がアンパイを探しにくいこのオヤリーチ。またしても多井がノーテン罰符で失点する場面が頭をよぎったが・・・

テンパイしている小林が先に南を掴む。

2枚切れカン2mで役ナシとはいえ、アンパイも1mと7mしかないため、ひとまず南ぐらいは切ってもおかしくないが、小林は南を押さえて1mを打った。見事な放銃回避である。

一方、困ったのはトップ目の松本。

アンパイゼロの手牌から、北との比較で、南家が南を持っている可能性が若干あることと、ウラドラの乗りにくさで南に手をかけた。

すると、これが悪夢のようなリーチチートイツクマクマ、いやウラウラ。12,000の放銃で松本が一気に転落してしまった。

これを見て息を吹き返したのが多井。

オヤで3,900を小林からアガり、トップ争いに食い込むのだが・・・

瀬戸熊がここに1sツモという強烈な倍満で再度突き放した。

すると、今度は松本が再度攻撃に転じる。

オヤでピンフドラ2の超チャンス手をリーチ。

6巡後、このリーチに対して受けていた多井の手が止まった。

スジが4つしかないというあまりにも厳しい手牌。この手牌から選ばなくてはならないのか。

多井の1分半にわたる長考が始まった。

ワンチャンスなどの情報もなく、唯一参考になりそうな情報は、松本の捨て牌「8s手出し、5mツモ切り、8s手出しリーチ」という部分である。

8sのトイツ落としリーチであるため、ペン7pなどの愚形が少ないことを考えると、7pのトイツ落としか。それなら2巡凌げる。

いや、それならば、リーチ宣言牌の8sが関連牌だった場合に、6sを持っていることが多いため、6sそのものは通りやすいのではないか。しかし、確かに6sは通りやすいが、スジの3sはドラを使ったペンチャンがあるため1巡しか凌げない。

ならば、5sはどうか。仮に8sが関連牌なのであれば、仮に4s6s8sが残ったのなら4s切りになりそうだし、確かに3s4s4s5s6s8sという形はあるがレアだ。そして何より、5sが通るなら2巡凌げる。

多井の選択は打5s。これが松本への12,000という激痛の放銃で、松本をトップ争い戦線に押し上げてしまう。

しかし、それでも粘る多井はダブ南ドラ1の5,200を松本から直撃してなんとか食らいつき、オーラスのオヤ番でもなんとか連荘にこぎつけるのだが・・・

瀬戸熊の5s6s7s8s待ちテンパイに対し、この手牌に6sを掴んでしまってはどうしようもない。

多井の放銃で終局となったが、松本もトップをまくり切ることはできなかったため、松本との痛み分けという結果となった。

この結果、多井vs松本直接対決は、2戦目に持ち越しとなっている。次戦、3456位卓に入るための2人の争いに注目だ。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回7/23(月)21:00からBLACK DIVISION 51-52回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定!