KAWASAKI BALIUS 1991
BALIUS 1991
ネイキッドモデルも今やかつての花形と言うイメージで寂しげな状況となってしまっている。本来であるなら今も街中を元気で走り回っているのが自然に思えるのだが…。時折見かけるバンディットやゼファーでさえも歴代の旧車扱いでショーウインドウに神々しく飾られている状況を好ましいと思っていて良いのだろうか?今、街中を占領しているのは125ccを中心とするスクーターやダートトラッカー的な個性を売りとする二輪が多い。スタンダードなスタイルが何故に中心的な存在とはなれないのか?バイクが当たり前に社会に存在していた時代では無くなってしまっている。生活やビジネスでの用途ではなく、趣味的なモノとして定着してしまった現代社会が疎ましくも感じる。危険な乗り物としての認識度が定着してしまった一因も捨てきれない。バイク雑誌が様々なジャンルのバイクをそれぞれに映し出していた時代が懐かしい。そんな時代が再び訪れることはないのだろうか?
BALIUSも今やデビューから27年を経過してしまった。先代のネイキッドの中心的な存在であったゼファーとは異なり、速さを追求して生み出されたスポーツネイキッドとして登場したこのモデルには今の時代でも十分に通用する性能が盛り込まれている。ZXR250のパワーユニットをそのままにフルパワーで流用されているのだから驚く。最高出力の45psをZXRと同じく発揮するも、若干低めの15000rpmで到達させている。要するに、街中にあってはZXRよりも速い存在と成り得る要素がある。カムシャフトやキャブレター設定が低中速の回転域を柔軟にカバーすることから扱い易さも群を抜いている。しなやかなハンドリングはこのモデルの特徴でもあり、扱い易さは大いに禿筆ものでもある。こうしたベーシックなモデルに脚光が浴びる様な時代が再び訪れることを切に願っている。