昨日ぶりの再会。
Naoyaです。
狂ったように暑いです。関東甲信はやっと梅雨明けが発表されました。今日は二十四節気の12番目、大暑です。暑さがピークを迎える時期と言われていて、二十四節気はここで前半が終了です。そして、12星座の獅子座の始まりでもあります。
先日、ジェーン・バーキンが亡くなりました。闘病されていたことは知っていましたが、とてもショックでした。
ジェーンには1999年に雑誌「GQジャパン」にて、ロングインタビューをしました。20世紀から21世紀に移り変わろうとしているとき、20世紀を彩ったカップルという特集でした。そして、田村正和と常盤貴子のドラマ「美しい人」の主題歌として、ジェーンの歌が起用されたタイミングでもありました。
ジェーンとは合計3回会いました。1回目はそのインタビューで、2回目は主題歌の入ったベスト盤のヒットによる凱旋来日、3回目はその後のコンサートのタイミングです。2回目に会った翌日、レコード会社の担当から電話がありました。ジェーンが空港へのリムジンの中で、僕のために直筆の手紙をしたためたので送りますとのこと。届いた手紙はビリッと無造作に破いたノートに、インタビューが載った雑誌のお礼が殴り書きで綴ってあり、1冊はシャルロットにあげますと書いてありました。シャルロットとは娘のシャルロット・ゲンスブールです。
インタビューをしていたときのことは、今でもはっきりと覚えてます。椿山荘のスイートルームでジェーンを今か今かと待ちながら、庭園を見下ろしていたときの期待と緊張が入り混じった空気感。ジェーンと初めて会ったときの高揚感、夢中になっていろんな話をしたときの魂と魂がぶつかってる感触、彼女のにこやかな笑顔、ベタベタにシールが貼られ、日本のお守りをぶら下げたエルメスのご本家のバッグ。記憶力が鈍いというか、どんどん過去の出来事が薄れていく気質なのですが、ジェーンとの尊い時間は今も忘れられない財産のように頭の中に鮮明に存在しています。
ジェーンが亡くなったことが報道された日、Maribrengaëlさんと3年半ぶりに会いました。3年半ってホント凄いんだけど、ふたりの間に時間という概念が介在してない感覚がありました。
久しぶりなんだけど、久しぶりという感じがしないというか。YouTubeでしょっちゅう話しているからかもしれないけど、またそれとも違う感じなんです。久しぶりに会うことが決まり、どのくらい会ってなかったのかを調べてみたら、3年半という月日が経っていたことにビックリしました。え?そんなに時間が経ってたの?みたいな。でも、そんなに会っていない感じがしないんです。それってなぜかと考えてみると、Maribrengaëlさんに対する意識の焦点が常に「今」に合っているからなんだと思います。
それはジェーンに対しても同じだと思いました。ジェーンとは3回目にコンサートの楽屋で会ったとき以来会っていませんが、彼女に対しての意識の焦点も常に「今」に合っていて、過去になっていないんです。現在も過去も未来もなく、時間という概念が介在していないという感覚。もうこの世にジェーンはいないけど、もし今ふとジェーンと再会できたとしても、久しぶりという感覚はないんじゃないかと思うんです。
時間という概念が介在しない間柄の人は他にも何人かいます。どんなに長いこと会っていないとしても、会うときは昨日ぶりくらいの感覚。そういう人とは積もる話をこってりと語り合うのではなく、日常のなんてことない会話がいきなり始まることがほとんどです。