▲歩く記録 霧ヶ峰~八島湿原~
山小屋から歩いてすぐのところにある八島湿原。今回の目的の一つで、ガイドさんをお願いし、その成り立ちや植物について説明を受けながらゆっくりと歩いてきた。
ここが好きで早期退職をされてガイドになったという方の話を伺いながらの散策は、好きなものをより深く知りたいという気持ちさせてくれた。はじめて見る草花も多く、中でも「イブキトラノオ」という子の群生に吸い込まれた。車山でみたニッコウキスゲも、こちらでは間引きされたかのような群生でよりナチュラルな印象。
そうそう、ガイドさんによると、春に起きた霧ヶ峰の火災、こちらでは元々「野焼き」をする慣習があり、不幸中の幸いで例年より芽吹きに勢いがあり、ニッコウキスゲもたくさん咲いているとのこと。そんな話を聞くと、自然の力により敬意を抱く。
以下、八島湿原ワンポイント!
・12,000年の歴史を持つ日本を代表する高層湿原
・1939年(昭和14年)に国の天然記念物に指定
・周辺の森林化や雨の減少などに伴い乾燥化が進んでいる
●そもそも「高層湿原」って?
高層湿原とは、泥炭が厚く堆積し、地表がまわりの地下水位より高くなった状態のものをいう。ここの植物は雨や霧といった天水に頼るしかなく、貧栄養かつ乾燥しやすいといった厳しい環境に耐えなくてはならない。そこで、地表を覆うミズゴケに依存し、水分を分けてもらう仕組み。
●「泥炭」って?
泥炭とは植物遺体(植物が枯れて腐った状態)が堆積したもの。ふつう植物は枯れたあと微生物によって分解され、土になる。しかし気温が低く、水分の多い条件では植物遺体は酸素不足になり、微生物の活動が抑えられるため、十分に分解されずに積み重なっていく(よって周囲より少し盛り上がっている)。
今回の旅で出会った草花
左上から順に、
ニッコウキスゲ
ノアザミ
ウツボグサ
不明(キク)
ヨツバヒヨドリ
キンバイソウ
不明
キバナノヤマオダマキ
イブキトラノオ
ニッコウキスゲとイブキトラノオ
コウリンカ