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臍帯とカフェイン

ビー・ドレイクの領域(0:0:2)

2023.07.21 15:27

『ビー・ドレイクの領域』

ドレイク:ライクユアタイムズ誌、マンチェストまたまた奇跡。火事の中から子供を救う。

ドレイク:中央新聞、キャルボニー州の英雄『マンチェスト』特集。

マンチェスト:(意識を朦朧とさせながら)

マンチェスト:う……

ドレイク:ギデオンニュースペーパー、憧れのヒーロー第一位、マンチェスト。

マンチェスト:ここは……

ドレイク:お目覚めかい?マンチェスト。

マンチェスト:う……

ドレイク:ああ、構わない。まだ薬の効力が残っているのだろう?

ドレイク:私に構わず、存分に朦朧としてくれ。

マンチェスト:く……っ。

マンチェスト:お前は……だれだ……

ドレイク:私はもう少し待てるよ?マンチェスト

マンチェスト:だれなんだ……

ドレイク:ふむ、仕方ないね。

ドレイク:私の名前はビー・ドレイク。

ドレイク:ドレイクとは、そう、空想上の火の竜の事だ。

ドレイク:とは言え私は爬虫類は苦手でね。

ドレイク:あまり好きなイメージでは無いんだが。

マンチェスト:ビー……ドレイク……?

ドレイク:ああ、知らないのも無理はない。

ドレイク:君達ヒーローはいつだって弱き者のことしか見えていないものね。

マンチェスト:ここは……どこだ……。

ドレイク:ここは、私の領域。

ドレイク:さながら永遠の沼地。

ドレイク:さしては孤独の庭。

ドレイク:私の名前は、ビー・ドレイク。

ドレイク:『火竜になれ』だなんて、笑ってしまうね。マンチェスト。

マンチェスト:……お前……まさか。

ドレイク:そういう君は『マンチェスト』。

ドレイク:そうだ、私と君とでコンビを組めばいい。

ドレイク:デュオのほうが言い方として好きかな?

ドレイク:どちらでもいい、私と君とで手を組む事に意味がある。

ドレイク:そうさな、コンビ名は二人の名前をとって『マンドレイク』。

ドレイク:引っこ抜かれたら奇声をあげて、何もかもを無きものにしてしまいそうだ。

マンチェスト:ヒーロー殺しの……ドレイクか……?

ドレイク:ご名答。

ドレイク:マンチェスト、はじめまして。

ドレイク:よく眠れたかい?

マンチェスト:ふざけるな……何が目的だ……ヴィランめ……

ドレイク:少し君と問答をしたかっただけさ、マンチェスト。

ドレイク:何より君は毎日忙しそうだからね、こうでもしないと捕まらないかと思って。

マンチェスト:くそ……身体が痺れる……

ドレイク:そりゃあそうだろうね、ゾウですら一週間は動けなくなる麻痺毒だ。

ドレイク:いくら超人的な力を持ったヒーローでもそう簡単には浄化できないだろう?

マンチェスト:くそ……

ドレイク:それにしてもマンチェスト、凄い人気だね。

ドレイク:どの新聞、どの雑誌を見ても君の事が書いてある。

マンチェスト:……その数だけ、貴様らヴィランが悪事を働いたという事だ。

ドレイク:それは一理ある。

ドレイク:君が活躍したら活躍しただけ、その影に散っていった『THE・悪役』達が大勢いたということだ。

ドレイク:流石はヒーロー、思想からして英雄じみている。

マンチェスト:……皮肉か?ドレイク。

ドレイク:滅相もない!

ドレイク:純粋に尊敬しているのさ、ヒーロー様。

ドレイク:私は悪事を働くことはできても、悪を裁くなんてことはできない。

ドレイク:それを軽々として見せる君のことを私は尊敬しているよ、マンチェスト。

マンチェスト:悪を、裁く……?

マンチェスト:お前は何を言ってるんだ……?

ドレイク:何かおかしい事を言ったかね?

ドレイク:君は得意だろう?

ドレイク:「悪を裁く」のが。

マンチェスト:ヴィランのお前が、悪を裁く……?

マンチェスト:一体それはなんの冗談だ?

マンチェスト:なんの意味がある皮肉なんだ?

ドレイク:今日は一つ、『悪を裁いて』欲しいのさ、マンチェスト。

マンチェスト:……おいおい、何のつもりだドレイク。

マンチェスト:ついにイカれちまったのか?

ドレイク:イカれちまったさ、とっくの昔に。

ドレイク:マンチェスト、君は先日ある障がい者施設で暮らす青年を助けたそうじゃないか。

マンチェスト:……覚えてないね。

ドレイク:はっ!!(馬鹿にするように)

ドレイク:助けすぎて覚えてないだなんて

ドレイク:まさしくヒーローの鑑じゃないか、マンチェスト。

マンチェスト:……。

ドレイク:拗ねたのかい?

ドレイク:からかい過ぎたかい?

マンチェスト:……話を進めろ、ドレイク。

ドレイク:つれないねえ。

ドレイク:こう言えばわかるかな?

ドレイク:『ジョリージョエル・モールの爆破予告』

マンチェスト:……『ガバランデイン』か。

ドレイク:そう。全身ダイナマイト男、ガバランデイン。

ドレイク:彼の魔の手から、青年を救った。

マンチェスト:……思い出したよ。

ドレイク:それはよかった!

ドレイク:そこを思い出してくれないと話が進まなかったんだ!

マンチェスト:その彼がどうしたって言うんだ、その彼を裁く?

マンチェスト:そう言いたいのか?

マンチェスト:なあ、悪の権化。

ドレイク:……。

マンチェスト:大概にしたまえ、ドレイク。

マンチェスト:弱きを助け、強きを挫く。

マンチェスト:どのヒーローも、このヒーローとしてのバッヂを胸に掲げた時からその理念で行動する。

マンチェスト:彼を裁く?

マンチェスト:はっ!裁かれるのはお前のほうだ、ドレイク。

ドレイク:ネズミも群がれば、猫を殺すぜ、マンチェスト。

マンチェスト:何が言いたい。

ドレイク:君たちはいつも、弱者を守ろうとするが……

ドレイク:弱者とは本当に正義なのか?

マンチェスト:……何が言いたい。

ドレイク:次に進もう。

マンチェスト:おい!

ドレイク:そう焦るなよ、ヒーロー。

ドレイク:ヴィランの中でも派閥みたいなものがあってね、どうにも困った男がいるんだよ。

マンチェスト:……意外だな。

ドレイク:意外なもんか、我々とて一人の市民であり、紛うことなき『人間』だ。

ドレイク:好き嫌いでホームパーティに呼ぶかどうかで悩む事もあれば

ドレイク:誕生日にチェリーパイを作って渡すべきか迷うことだってある。

マンチェスト:……。

ドレイク:今のは笑うところだろう!マンチェスト!

マンチェスト:……。

ドレイク:まあいいさ。そう、彼は多くの人間を闇に屠った。

ドレイク:『監獄市長』ジル・オーブェン。

マンチェスト:ジル・オーブェンだと……

ドレイク:因縁の相手だろう?マンチェスト。

ドレイク:君が唯一、裁き損ねた悪役だ。

マンチェスト:悪役なんて可愛いものじゃない!

マンチェスト:奴こそが、悪の中の悪……キャルボニー州を恐怖に陥れた男だぞ!

ドレイク:しかし君はあと一歩というところで、彼を仕留め切れなかった。

ドレイク:そう、それからと言うものジル・オーブェンは何処にも姿を現さない。

マンチェスト:……居場所を、知っているのか……?

ドレイク:そうじゃなければ、こんな話はしないだろう?マンチェスト。

マンチェスト:それで、結局のところなんなんだ……?

ドレイク:この内のどちらか二人を君の持ち合わせた正義でぶち殺して欲しいんだよ、マンチェスト。

マンチェスト:な……。

ドレイク:いつもしているだろう?

ドレイク:君が得意な事さ、悪を裁くの、得意だろう?

マンチェスト:選ぶ余地も無いだろう、ジル・オーブェン以外に選択肢がない。

ドレイク:ちなみに君が間違った判断をすれば、キャルボニー州の至る所に設置した爆弾がBOM!

ドレイク:マンチェスト様の間違いで、なんの罪もない人間が多数死ぬ事になります。

マンチェスト:なっ……

ドレイク:そして私は親切に、こんな物まで用意してみました。

ドレイク:「じゃっじゃーん!」

ドレイク:押しボタン式殺戮ネーター!

マンチェスト:……。

ドレイク:おいおい、流石にノリが悪いぜ、マンチェスト。

マンチェスト:……なんだ、それは。

ドレイク:身体が痺れて動けないヒーロー様の為に、この緑のボタンを押せば『助けた彼が』そして赤いボタンを押せば『ジル・オーブェン』が。

ドレイク:体内に埋め込んだマイクロチップが反応して一瞬で殺せるっていう夢のネーターさ。

マンチェスト:……悪趣味な……。

ドレイク:「さあ、ヒーロー、このボタンを君の顎が届く場所に置いておくよ。」

マンチェスト:……選ぶのは決まっていると、言ったはずだが。

ドレイク:君たちヒーローは、いつもスポットライトを浴びるだろう?

マンチェスト:……そりゃ当然だ、貴様らヴィランがライトを浴びるはずがない。

ドレイク:いつもいつも光の中心にいるか、その光を浴び続けている。

ドレイク:君たちの眼は、瞳は

ドレイク:インタビューを受ける時、

ドレイク:世紀の格言を残すとき、

ドレイク:煌びやかなライトの中心か、もしくは君を見つめる少年の事しか見えていない。

マンチェスト:当然、だろう。なにを言っている。

ドレイク:太陽を、直に見てはならない。

マンチェスト:……は?

ドレイク:それは何故なのか、簡単な事だ。目が太陽に焦がれて肝心な部分が、肝心な時に見えなくなってしまう。

マンチェスト:なにが言いたい、回りくどいぞ。

ドレイク:なあ、マンチェスト。

マンチェスト:……なんだ?

ドレイク:ヒーローは、ヒーローにしかなれないのかい?

マンチェスト:先程から要領を得ないな、ヒーロー殺し。

マンチェスト:貴様なにが言いたい。

ドレイク:ヒーローとは『人を助ける』という生き物だ。

マンチェスト:……その、通りだが。

ドレイク:人を助ける事に、本当にヒーローは必要なのかな、マンチェスト。

マンチェスト:……どういう意味だ?

ドレイク:「ヒーロー」とは、『名称独占』だろう?

マンチェスト:……は?

ドレイク:『人助け』というものが、業務独占資格であっていいわけがない。もし人助け一つ一つに資格が必要なら、誰も人助けをしなくなる。

マンチェスト:それは、そう、だが。

ドレイク:なら、ヒーローとは『名称独占資格』。いわば保育士や介護士となんら変わりない。

ドレイク:誰でも出来るはずだ、『人助け』とは。

マンチェスト:それは否定しないが……。

ドレイク:マンチェスト。

マンチェスト:……なんだ。

ドレイク:「ヒーローとは、なんだ?」

マンチェスト:……なんの質問なんだ、貴様。

ドレイク:答えてくれよ、マンチェスト。

マンチェスト:「絶対的、平和の象徴」だ。

マンチェスト:我々ヒーローが居るからこそ、このキャルボニー州は、世界は、平和が保たれている。

ドレイク:「ほんとうに?」

マンチェスト:……何が言いたい。

ドレイク:「本当に、今、平和なのかね、世界は。」

マンチェスト:……少なからず貴様らヴィランの思い通りにはさせていない。

ドレイク:一人の女の子がいた。

マンチェスト:……なに?

ドレイク:縫製工場で働く母親の帰りを、近くの公園のブランコで待つとてもいいこだ。

マンチェスト:その子がなんだって言うんだ。

ドレイク:くれなずむ街並みの中で、その子だけがその公園で一人、闇にとけず佇む。

ドレイク:なんとも君のような正義感の強いヒーロー様達には『そそられる』場面だと思わないか?

マンチェスト:それはお前たちヴィランにとってもそうだろう、お前たちからすれば格好の餌食だ。

ドレイク:そう!その通り!よくわかっていらっしゃる!

マンチェスト:……一々癪に障る……。

ドレイク:その日は、出荷用のトラックの到着がいつもよりも10分遅れたそうだ。

マンチェスト:さっきからなんなんだお前は!

マンチェスト:だらだらと関係ない話を……時間稼ぎか?

マンチェスト:さぞ楽しいだろうな、血に這う俺を見ながら垂れる講釈は。

ドレイク:「講釈なんて垂れてねえんだよ、糞ヒーロー」

マンチェスト:な……

ドレイク:最後の最後まで話を聞くこともできないのか、てめぇは。

ドレイク:お前は不思議の国のアリスを、エピローグから読む口か?え?

ドレイク:そんなもの、ドラマティックの欠片もない。

ドレイク:そんな事をすれば、あの物語は初めから夢物語だ。

ドレイク:だが現実は?そうはいかない。

ドレイク:「今は、お前は、ただただ話を聞くターンなんだよ、マンチェスト。」

マンチェスト:……。

ドレイク:ありがとうマンチェスト、わかって貰えたようだ。

マンチェスト:……続けてくれ。

ドレイク:「たった10分」

ドレイク:たった10分の残業だった。

ドレイク:そのたった10分の残業が変えたものは計り知れない。

ドレイク:「公園にいるはずの、女の子がいない」

ドレイク:わかるだろう?マンチェスト。

ドレイク:私はよくよくわかる。

ドレイク:正義は悪を見ない、だが悪は正義をよくよく見つめつづける。

ドレイク:お前たち『正義』よりも、『正義』をよくよく知っている。

マンチェスト:……なんの、話だ。

ドレイク:お前の助けた、障がい者の男。

ドレイク:奴の夢は、お前に助けられてからというもの……狂ったようにそれ一つだけだった。

マンチェスト:……。

ドレイク:「正義の味方になりたい。」

マンチェスト:彼が、そんなことを。

ドレイク:そう、そして勘のいいオーディエンスはここで気付く。

ドレイク:「なぜ、その話を今ここでするのか。」

ドレイク:マンチェスト、ヒーローにはない勘だよこれは。

マンチェスト:……オーディエンス……?

ドレイク:そう、知らなかったか?マンチェスト。

ドレイク:今この領域はワールドワイドウェブに大公開されているのさ。

ドレイク:いい物だね、インターネットというものは。

マンチェスト:なっ……

ドレイク:さあ、話を続けよう。

ドレイク:あ、マンチェスト、カメラはアソコの部屋の隅だ、ちゃんとキメ顔しておけよ。

マンチェスト:お前……っ

ドレイク:「正義の味方」になりたかった彼は、毎日このキャルボニー州の小さな町、ピエルコをパトロールしていた。

マンチェスト:……。

ドレイク:だからこそ、知っていた。彼女の母親がいつもは夕方の6時には彼女を迎えに来ることを。

ドレイク:そして、今日はそうでは無いと言う事を。

マンチェスト:……彼は、どうしたんだ。

ドレイク:そりゃあもちろん、彼女を保護したさ。

マンチェスト:そう、か

ドレイク:『よくよく母君に教育され、知らない人についていかないようにと教えこまれた彼女を。』

マンチェスト:……え……。

ドレイク:ヒーローとしては想定外。

ドレイク:何せ彼の中では自分は、あのマンチェストと同様のスーパーヒーローだ。

ドレイク:さあ、防犯ブザーがけたたましく鳴る、彼女は逃げようとしている、マンチェスト、君ならこういう時どうするんだい?

マンチェスト:……どうする、って

ドレイク:そう、君でも扱いに困る案件だ。

ドレイク:そもそもとして『正義』が拒否されることなんて想定にない。

ドレイク:助け舟を拒まれるヒーロー様なんて、聞いた事がない!

ドレイク:でも答えは簡単、口を塞げばいいだけだ。

マンチェスト:彼は、そうしたのか。

ドレイク:『そう、したかった。』

マンチェスト:した……かった……?

ドレイク:君、生きてく上で、泣き叫ぶ女の子の口を塞いだ経験なんてあるかい。

マンチェスト:……ない、な。

ドレイク:彼も同じだ。加減なんてわかるはずもない。

ドレイク:「ぼっきり。」

ドレイク:いや、

ドレイク:「ごっきり。」が正しいかもしれない。

マンチェスト:あ……あ……。

ドレイク:抑え込もうとした拍子の事故だった。

ドレイク:彼女の首は、逆側に綺麗に回り、無事彼は何事もなかったかのように『彼女を保護できた。』

マンチェスト:そ、そんな……そんな……

ドレイク:さあ、マンチェスト。

ドレイク:その後の彼の行動は簡単だ。

ドレイク:まるで飼い慣らされたシベリアンハスキーが、ご主人様に怒られないために

ドレイク:隣のビーグル犬から奪ったゴム製のおもちゃを庭先に埋めるのと同様に

ドレイク:いとも簡単に彼女を地中に埋めてしまう。

マンチェスト:あ……あぁ……

ドレイク:「では、マンチェスト。」

ドレイク:「そんな飛んでもない事件を起こした彼は」

ドレイク:「正義かね?」

ドレイク:「そして、死ぬはずの運命だった彼を」

ドレイク:「生かした君は」

ドレイク:「正義かね?」

マンチェスト:そ、そんなもの……

マンチェスト:正義に、決まってる……

ドレイク:弱者は守るべきものと君たちヒーローはいつも言うが

ドレイク:果たして本当にそうだろうか?

ドレイク:弱者は、さらに弱者を傷つけないのか?

ドレイク:弱者という線引きはなんだ?

マンチェスト:それは……

ドレイク:正義なんて、必要ないのではないかね?マンチェスト。

マンチェスト:わ、我々はいつだって人の為に動いてきた!

マンチェスト:それはどうあったって、紛れもない正義で、それが人々の心を捉えたのは事実だ!

マンチェスト:正義は、どうあっても正義なんだ、だから……だから……

ドレイク:「君たち光を浴びるものは、影を見ない。」

ドレイク:「だが、我々影は、君たちをよくよく見ている。」

マンチェスト:理不尽さ……そう、理不尽さだ!

マンチェスト:『彼』は、強大な悪による理不尽さによって命を脅かされた!

マンチェスト:その命を助けることは、正義の他にない!

ドレイク:では、少女が似非ヒーローに殺されたのは理不尽ではない、と。

マンチェスト:そ、それは……

ドレイク:それこそ、理不尽の塊だ。

ドレイク:少女は何も、していない。

ドレイク:「そうだろう?ヒーロー」

マンチェスト:あ……ああああ……

ドレイク:しいて言えばね、マンチェスト。

ドレイク:「私も」

ドレイク:「ガバランデインも」

ドレイク:「ジル・オーブェンも」

ドレイク:「君のようなスーパーパワーは何一つ持っていない」

ドレイク:「そう、それは正に、今も」

マンチェスト:ちがう……ちがう、正義は……正義とは……

ドレイク:なあ、ヒーロー。

ドレイク:『我々は、弱いものなのではないか?この場合』

マンチェスト:ちがう!!!お前たちヴィランは……ヴィランは……!!!

ドレイク:「そう、それでも我々ヴィランはヴィランだ。」

ドレイク:「じゃあ、お前が守ろうとしているものは?」

マンチェスト:……市民だ……なんの罪もない、極々一般的な市民だ……!

ドレイク:「そうだな」

ドレイク:「しかし、その市民にも悪がある。」

マンチェスト:う……うう……

ドレイク:さあ、マンチェスト。

ドレイク:ここは、私の領域。

ドレイク:さながら永遠の沼地。

ドレイク:さしては孤独の庭。

ドレイク:私の名前は、ビー・ドレイク。

ドレイク:『火竜になれ』だなんて、笑ってしまうね。マンチェスト。

マンチェスト:貴様……貴様……

ドレイク:「見せてみろよ、正義。」

ドレイク:「悪を、捌く時間だ。」