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マヤ

『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI⑦ 三代目妄想劇場ショートストーリー

2018.07.22 22:30

式場に到着し車を降りると同時に、タクシーから直人とまりあが降りてきた。




「直人さん…あ‼保育園の…」




隆二がペコリと頭を下げまりあに会釈し、

臣に紹介しようとした時、臣のiPhoneが鳴った。




「はい、もしもし…どうしたんですか?」




「え?誰から…」




臣は通話口を塞いで「マネージャー」と、隆二に伝えた。




「…え!?ちょっと電波が悪くて聞き取れないんですけど…」




「…隆臣が?」




「たっくんがどうかしたの?」




「…隆臣が…いなくなった⁉」






その場に立ち尽くす臣と隆二。




「どこで?…近所の公園?」




臣の言葉を聞いて、隆二がいきなり駆け出した。




咄嗟に隆二の手首を臣が掴んだ。




「隆二…待てっ‼走っていける距離じゃないだろ?」




「離せ❗よくそんな冷静でいられるな‼」




ただごとならない二人の様子に、先に式場に到着していた三代目メンバーや劇団の面々、

D.lのメンバーが集まってきた。




「なんかあったんですか?」




SWAYが心配そうに声をかける。




「隆臣が…ちょっと目を離した隙にいなくなったって」




直己が険しい表情で臣に尋ねる。




「どこで?」




「いつも行く公園です」




臣の手を振りほどいて駆け出そうとする隆二を健二郎が止めた。




「隆二‼落ち着けって❗こんなとこから走ったって40分はかかるで‼」




ゴロゴロゴロ…




近くで雷が鳴った。




「今日はバーバん家行くから…財布も持たせてないんだ‼…もし迷子になってたら」




「一雨来そうだし、とにかく車で公園に向かおう」




肩に触れようとした臣の手を、隆二がパシッと払った。




「隆二‼お前が一番冷静になんなきゃ駄目だろ‼」




「俺は…」




隆二は今にも泣き出しそうな顔で空に向かって叫んだ。




「たっくん‼…」





つづく