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地球のお医者さん

2023.07.23 06:34

Facebook岡部明美さん投稿記事

ずっと見たいと思っていた映画を逗子の素敵な洋館「シネマ アミーゴ」というミニシアターで見ることができた。

『杜人(もりびと)』〜環境再生医 矢野智徳の挑戦〜

クラウドファンディングで初日に目標達成率495%の話題作と聞いて興味を持っていたら、

友人達が次々に見に行って「この映画はすごい、多くの人に見てほしい」とFacebookに投稿していた。

・なぜ豪雨災害は年々激しさを増すのか。・なぜ生きものが減っていくのか。・なぜ植物が枯れていくのか。すべてに共通する原因それは「大地の呼吸」にあった。

このドキュメンタリー映画の主人公である矢野智徳さんのことをある人は「地球の医者」と呼び、ある人は「ナウシカのようだ」と言う。

人間よりも自然に従う風変わりな造園家のいのちの仕事を追ったドキュメンタリー映画、それが今話題になっている「杜人」だ。

地球のお医者さん、矢野智徳さんは、今日もまた、移植ごて(シャベル)を持って、全国を飛び回り、傷んだ植物や大地の治療にあたっている。

造園業界でも、土木業界、建築業界、学術界でも見落とされてきた生態系全体に関わる大地の機能。それは「大地の呼吸」だと矢野さんは言うのだ。

人間の身体にとって、「呼吸と血液の流れ」が大事なように、自然には、「風と水の通り道」が大切だということ。

大地に「水脈」「空気脈」を通すことで、病んでいた大地に息を吹き返させることができ、

それは小さな移植ごて(シャベル)ひとつで可能だということ。

2018年7月。西日本で大変な災害が起きた。彼が以前から警告していたことが現実となったのだ。被災現場に駆けつけた矢野さんは言った。

「土砂崩れは大地の深呼吸。息を塞がれた自然の最後の抵抗」だと。

かつて人は自然の循環を損なうことなく暮らしてきた。

「鎮守の杜」の「杜」という字は「この場所を 傷めず 穢さず 大事に使わせてください」と紐を張った場のことだった。

・人間がもたらした小さな「詰まり」が大きな土砂災害や河川の氾濫に繋がっている。

・どの生物も完璧じゃない。満たされなくて当たり前。

・だからどの生き物もお互いに譲り合い、助け合って生きている。

・大切なのは人間同士はもちろん他の生き物とも結(ゆい)をなすこと

・息をしている限り、まだ間に合う

自然と共に生きるすべを、人間という動物の遺伝子はきっとまだ憶えている。

この映画がその記憶の小箱を開く鍵となることを切に願うと監督の前田せつこさんは語る。

「杜人」は素晴らしいドキュメンタリー映画だったけれど、願わくば、エンディングの曲が、

コクーンの「森は知っている」だったら、どんなにかこの映画のテーマと共振、共鳴するだろうと思った。

https://www.youtube.com/watch?v=riUQdfFX93E

そして、身体の治療や心のケアや人生のサポートを生業としている人たちにとっては、

「杜人」で矢野さんがいのちをかけて伝えていることは、その仕事の本質において全く同じだということに気づくと思う。

身体の声、心の声、地球の声、、その痛みや悲鳴の奥底の本当の願いに気づきをもたらすことをサポートしているという意味において。


Facebook西岡 範男さん投稿記事·

.      『 サラ・オレイン  泉涌寺音舞台 』

京都:月輪山の山麓にたたずむ皇室菩提寺の泉涌寺は千年の時を経る美しい唐様建築で、この音舞台になった仏殿には運慶作の阿弥陀・釈迦・弥勒の三尊仏や狩野探幽の天上画があります。ヴァイオリニストまた歌手として卓越した才能を持つ サラ・オレインは、この場に宿る仏の香りや小鳥の囀り 虫の声、風のそよぎに心を通わせ、音を色として感じる共感覚で、仏の世界を写す様々な色合いに慈悲の音色を聞かれたのでしょう。「オペラ座の怪人」等の作曲家 Andrew Lloyd Webber が亡き父親への追悼とカンボジアの幼児虐殺など世界の悲惨に心を痛めて作曲した『 Pie Jesu(慈悲深いイエス)』を歌います。その歌声は,、” 1/f ゆらぎ ” の癒しの波長を帯び、 ” 無の 1/f ゆらぎ ” から生まれたこの宇宙の森羅万象が交響するテンダネスな通奏低音と水紋を重ねるかに交わります。それは五感を超えて私達の心を振るわせ美しい花を咲かせます。

https://www.youtube.com/watch?v=ISX1_YBhxms

https://cbfm.tottori.jp/blog/earth_doctor/ 【「地域」ではなく「地球」を診るお医者さん!?】より

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。

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 ここ数年の夏の暑さは異常である。今年は6月から30度を超え、8月は夜も30度が続いていた。加えて大型台風・大雨・洪水も重なるともう災害というしかない。太陽と地球にはもう少し手加減をお願いしたいが、自然の猛威の前にはできることはほとんどない。しかし、地球環境を守るために活動している医者が実際にいるようだ。それも普段の仕事の中で実践しているというから驚きだ。

 総合診療の学会で「プラネタリーヘルス」という言葉を聞いた。直訳すると「星の健康」である。2015年頃に欧米で言われ始めた言葉で、簡単に言うと「人間社会も地球のシステムの一部であり、人の健康は地球の健康、つまり環境問題を含むさまざまな問題と深くつながっている」「人が健康であるには地球環境に配慮しなくてはならない」という意味のようだ。

 地球温暖化を例にあげてみよう。気温が上昇すると熱中症や食中毒が増えるのはもちろんのこと、心臓などの持病が悪化する人もいる。また熱帯地域の伝染病が日本でも流行する。数年前に熱帯の蚊が媒介するデング熱が日本でも発生したというニュースを覚えている人もいるだろう。さらにいえば、異常気象で農業・漁業などが影響を受ければ、物価は高騰し栄養バランスも崩れ、飢饉による栄養失調という事もありえる。また食料や水不足で紛争が起きれば、より深刻に生命は脅かされるだろう。

 日本ではまだそこまでいかないかもしれない。しかし実際に、気温の上昇に関係した65歳以上の死亡者数は、2000年には約15万人だったのが2018年には約30万人と推定されている。地球温暖化の脅威は、我々の肌でわかる所まで迫りつつある。

「地球を診る」お医者さん

 そこで登場するのが「地球を診る」医者である。より正確に言うと、地球環境に配慮しつつ、患者さんの健康もより良いものにする「グリーンプラクティス」を実践している医者のことである。グリーンプラクティスはイギリスの家庭医を中心に普及しつつあり、日本でも徐々に知名度が上がりつつある。方法は色々あるが、「患者の病状を安定させ、なるべく通院回数を減らそう」「必要のない検査や薬を減らそう」などはわかりやすい。「喘息の吸入薬も二酸化炭素の少ないものを勧める」「電気自動車を勧める」「飼育に二酸化炭素を多く使う肉類を避け、野菜を食べるよう勧める」などは初めて聞いた時は驚いた。さらに本格的になると「病院で二酸化炭素がどのくらい排出されているか調べてみよう」「医療廃棄物を減らすための工夫をしよう」などもあるようだ。

「地球を診るのは医者の仕事か?」「地球よりも目の前の患者を診るべきでは?」という批判もあるだろう。一理ある。確かに目の前の患者の診療をおろそかにするのは、現場で働く医者の姿勢としては好ましくない。ただ目の前の患者を診つつ、同時に地球環境に配慮することは不可能ではないだろう。結果として熱中症患者が減るのであれば、それは医者の仕事の範囲ではないかと思う。さらに言えば、総合診療医は、目の前の患者だけを診ているのではない。患者の背景にある家族・地域・社会まで視点を広げて診療する医者なのだ。ならば「背景」として「地球」を意識することは、総合診療医の得意分野と言えるかもしれない。「地域を診る総合診療医」は市民権を得つつある。いずれ「地球を診る総合診療医」も当たり前になる未来が来るのかもしれない。

できることからコツコツと

 かつて小学校で「節電」「ごみの分別」「不要なものを買わない」などを通して「地球にやさしくする」授業を受けた記憶を思い出す。我々に出来ることは微々たるものだが、出来ることはちゃんとある。普段の診療はもちろんのこと、私の生活の中でも出来ることから始めよう。車通勤を徒歩にするだけで、かなりの二酸化炭素を節約できそうだ。しかし……地味につらい。職場まで徒歩で数十分とはいえ、朝はもう少し寝たい。いや、患者の健康のためだ。「地球を診る総合診療医」の第一歩だ。そう自分に言い聞かせ、運動不足の体にむち打ち続けている。