我儘に育てるには?
こんにちは、日本知育玩具協会・知育玩具マイスターの船越智子です。
タイトルをご覧になって「いやいや、我が子を我儘に育てたくはないです!」そう思われたことと思います。我が子を意図的に勝手気ままな・我儘な子に育てる親御さんは、おそらくいらっしゃらないでしょう。
しかしながら、「そんなふうにしたら勝手気ままな子になると知らなかった」ので、「あるもの」を与えてしまった結果、お子さんの様子に困っているという親御さんは多いと思います、という話です。
「あるもの」とは。それは、子どもが我儘になる玩具。つまり、年齢に合わない玩具です。
年齢に合わない玩具を与えるとは、
1.その子にその玩具を扱える能力が少しも、全く、整っていないのに、与え遊ぶよう強制する
2.子どもには与えるべきでないものを玩具として与えている
そういう状態を指します。
1.もさることながら、今日深刻なのは2.のケースでしょう。大人の側が「知らなかった」場合、そのことに気づいておらず、子どもにずっと与え続けてしまい問題が深刻化するケースが多いからです。幼児のうちからテレビ・DVDを見せる時間が長い、子どもにデジタルゲームを与える、など、日常的に気にも留めてないような光景が、それに該当するのをご存知でしょうか?
「じっと座ってテレビを見ている幼児」「デジタルゲームにじっと座って取り組んでいる小学生」、いずれも「集中力を持続している」のではありません。「刺激のとりこになっている」のです。成長するにしたがって、やめさせるにも困るようになってきます。とりこになってやめられずにいると、学習時間も短くなり成績も下がるでしょう。また、夜になって起きだして親が見ていない間にコッソリやることが常習化する、なんて問題まで出てくることもしばしばです。
そして、いずれは今現在のその刺激では物足りなくなります。新たに刺激を与えてくれる別のDVDがほしくなったり、デジタルゲームがほしくなったりと、欲求はとどまることを知りません。また、欲求に従ってインターネットゲームを始めて、アイテム集めがしたいとか新たなマップがほしかったという、刺激に対しての欲望に勝てず多額の課金発生、という子も実際にいます。
本来の意味の「集中力」がない子どもたちが、昨今はとても多いです。適切に本来の集中力を育ててあげて頂きたいなと思います。精神的に適切に成熟できてゆく、
”わがままにならない遊び”=発達に応じた、アナログな遊び
と出会わせてあげてください。