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ドクダミが教えてくれた「雑草という名の草はない」という精神

2023.07.25 05:44

NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」は、日本植物学の父「牧野富太郎」さんをモデルにした物語で、朝ドラと和ハーブ好きのわたしにとっては最高の朝ドラです。


週ごとのサブタイトルには、内容にちなんだ植物の名前がついており、毎週、どんな植物が出てくるのかと楽しみにしています。


特に主人公万太郎が上京して、その後、住むことになる「十徳長屋(じっとくながや)」の週は、サブタイトルが「ドクダミ」

まさに「待ってました!」という感じでした。


と言うのは、ドクダミは私たち日本人の最も身近な薬草であるのにも関わらずイメージが悪すぎて、どのようにその素晴らしさをお伝えしたら良いか機会をうかがっていたからです。


当サロンでは、ドクダミを足湯用のチンキ剤、トリートメント用のインフューズドオイル、アフターティーの薬膳茶に使用しています。


しかし、ドクダミを使用しているとお伝えすると、心なしか嫌な顔をされてしまうのです。

あと、あまりにも身近にたくさんあるので、貴重な感じがしません。


そこで、らんまんの「ドクダミ」の章

過去に、ドクダミがこれほどまでに脚光を浴びたことがあったでしょうか?


「十徳長屋」は日の当たらないジメジメした路地裏にあり、ドクダミが生い茂っています。


ドクダミが別名「十薬(じゅうやく)」と言われていることとかけているのでしょうか?

住めば十の徳にあやかることから、大家がその名をつけたそうです。


しかし、実際はドクダミの鼻をつく匂いのせいで通称「クサ長屋」と呼ばれています。

恐らく「草」と「臭」を掛け合わせたのでしょう。(うまい!?)


しかし、主人公の万太郎は、そのドクダミの匂いを「えい匂いじゃ。」と言います。


そして、長屋の住人にドクダミを薬にするため抜くように命じます。

すると、住人は半信半疑。

毒があるのではないかと心配します。


そこで、主人公の万太郎は、

「毒らあ、ありませんき。毒と痛みを消すき、ドクダミゆう呼び名がついたがじゃ」

と言い、きれいに洗ってから、束にして紐で縛り、軒先に干して乾燥させるように言います。


これを見て、胸がすくような思いがしました。


そうなんです!

ドクダミは誤解を受けています!

実はすごいんです!



ドクダミは、10種の薬効があることから別名「十薬」と呼ばれるほどの万能ハーブで、古くから化膿やかぶれ、水虫やたむしなどの皮膚疾患の特効薬として知られてきました。


ドクダミは山野で自生する植物でしたが、民家の傍らで咲くようになったのは、まだ今のように病院や薬局がなかった時代、その薬効性に注目して、人間が庭に植えたことが始まりです。


わたしも子どもの頃、蚊に刺されると、祖母がドクダミの葉を揉んで擦り付けてくれました。

緑になって臭いけれど、痒みや腫れが治って、外で遊んでいる時は、どこにでも生えているので重宝しました。

今となっては、その匂いと光景は、なつかしい想い出です。


そのせいか、ドクダミについて悪い印象はありませんでした。



ドクダミが嫌われ者だと知ったのは、わたしが庭でドクダミを栽培していた時のこと。

ドクダミを見た義母が、「こんなものを植えて!見るとゾッとする。」と言ったことからでした。


確かにドクダミは地下茎で繁殖力が強く、庭や農地に生えると、抜いても抜いても出てくるので、必要のない人にとっては厄介です。

しかし、ドクダミにしてみれば、庭に勝手に植えておいて、必要なくなったら厄介がるなんて迷惑な話です。


また、ドクダミは日陰でじめっとした場所に生えるため、印象をより悪くしています。

わたしも子どもの頃、学校の屋外トイレの周りや人が通らないような路地裏などで、よくドクダミを見かけました。


そもそも、名前にドク(毒)がついてしまったことが、ドクダミの不幸の始まりとしか思えません。


ドクダミの名前の由来は、解毒作用から「毒を出す」からドクダミに変化したという説や、その臭気から「毒を溜めているのでは?」から「毒溜め」が変化してドクダミになったという説があります。


名前や匂いで偏見を持たれてきたドクダミ。

そのドクダミがきれいに洗われ、丁寧に束ねられ、天日干しされて、薬に姿を変えていく様子

いつのまにか日の目を見なかった長屋の住人たちと重ね合わせて、救われる気がしました。



恥ずかしながら、わたしもドクダミの万能性を知ったのは、10年ほど前。

どくだみのハーブティーがきっかけでした。


不思議なことに、ドクダミの臭気は熱を加えたり乾燥させると弱まり気にならなくなります。

そのため、ドライハーブでの使用がおすすめです。


ハーブティーとしてのドクダミは、優れた解毒作用と緩下作用があり、便秘の改善に役立ちます。

利尿作用があるので、むくみ改善、膀胱炎、尿道炎の症状を緩和したり、体内の水分調整に役立ちます。

また、毛細血管を丈夫にしたり、高血圧の軽減にも有効です。


お茶を化粧水として使用すれば肌荒れに良いし、バスタブに入れれば冷え性にも良いです。


もし、フレッシュハーブのまま使用したい場合は、チンキ剤にすればアルコールでその臭気は消え、高い抗菌作用、抗真菌作用はそのままです。

(チンキ剤の作り方については、ブログ記事 「「和ハーブの女王」よもぎ」 をご参考ください。)



牧野富太郎さんの「雑草という名の草はない」という精神


ドラマの中には、その精神に基づいた名言が散りばめられています。


「すべての草に名があり役割がある」

「どの草花にも必ずそこで生きている理由がある。この世に咲く意味がある。」


この言葉は、草花に限ったことではありません。

誰もが野に咲く花のように、名前と個性を持って、咲くべき場所で咲くのです。


わたしたち人間も、誰ひとり必要のない人はいません。

皆それぞれの使命を持って生まれて来たのだと思います。


もし、ドクダミのように自分の特性を知ることができたなら

自分に合った場所で、能力を最大限に発揮し、自分らしく生きられるように思います。


朝ドラ「らんまん」は草花をとおして、人としてのあり方を教えてくれました。




薬草足湯(15分)   ¥1,500

ドクダミの湯は、皮膚トラブル、冷え性におすすめ!