『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI⑧ 三代目妄想劇場ショートストーリー
2018.07.24 10:10
「俺たちも手分けして探します!」
劇団の啓太と伸之が前に出た。
「俺らも、なぁ!」
SWAYがKAZUKIに声を掛けた。
「もちろん!」
まりあも輪の中に入ってきた。
「…私も、一緒に探します」
直人はみんなの顔を見渡して言った。
「式も始まることだし、これだけの人数がごそっといなくなるのも…」
「直人の言う通りだ。とにかく俺ら三代目のメンバーだけで公園に行って、また後で連絡するよ」
直己の提案に直人も頷いた。
「わかりました!連絡があればすぐに向かいます」
KAZUKIとSWAYがそう答えた。
「がんちゃんとELLYがまだ着てへんな」
健二郎が言ってすぐにSWAYが返した。
「到着したら俺らから伝えます」
更に啓太が直己にくらいつく。
「探すなら少しでも人数多い方が…
やっぱ俺らも連れてって下さい!
なぁ!伸!」
「そうですよ!俺からもお願いします!」
直己が答える。
「それじゃ、分乗してくれ」
「はい!」
啓太と伸之は顔を見合わせて頷いた。
「そろそろ式が始まりますので、関係者の方は中にお入りください」
式場の係員が告げた。
「仲人されてるHIROさんには、後で俺らから知らせます」
D.lのメンバーは式場に入っていった。
分乗して車に乗り込む中、ポツンと
隆二の頬に雨粒が落ちてきた。
真っ黒な雲がみるみるうちに空を埋め尽くす。
「急ごう!臣と隆二、先に乗って!」
直人が車のドアを開けて誘導する。
「隆二!ほら…」
臣が隆二の腕を持ち引き寄せた。
「隆臣…やだよ」
後部座席で隆二は顔を隠し、嗚咽を漏らした。
つづく