海と私たち
自然保護活動家のファラ・オバイドゥラは、なぜ彼女が Women4Oceans(W4O)を立ち上げたのかを説明している。
翻訳・校正:馬場 汐梨・沓名 輝政
海洋保護のために働いてきた20年間、私は海の美しさを観察する特権とともに、海で行われているいくつかの野蛮な慣行を目撃する機会も得ました。私は世界中の沿岸地域の人々と時間を過ごし、海域の保護区のためにロビー活動をし、労働虐待や海上の奴隷制を含む破壊的で違法な漁業慣行を明らかにし、クジラの保護活動を行い、持続可能なシーフードの普及を推進してきました。現在、私は深海採掘にモラトリアム(一時停止措置)を確保する運動を行っていますが、これは深海の生命に不可逆的な害を与える産業であり、閉じ込められた炭素を乱すリスクもあります。
この背景に対して、私は多くの他の人々と共に、公海の包括的な統治を求めてきました。公海とは、どの国にも属さない海の領域であり、したがって私たち全員のものです。それは海の64%を占め、つまり地球のほぼ半分に相当します。今年3月まで、公海の生命を保護する法的文書は一つも存在せず、しかし20年の運動の結果、私たちはついに公海条約を持つことになりました。この条約はまだ発効するために批准される必要がありますが、健全な海洋の重要性を認識する上で長い間待たれてきた重要なマイルストーンです。
海洋に直面する問題に取り組むために、私は Women4Oceans(W4O)という非営利団体を設立しました。W4Oを通じて、私は海洋空間における多様性と包括性の必要性を強調しています。私たちが直面する最も切迫した問題の解決策を、その問題を引き起こしたモデルを持続させたまま見つけることはできません。私たちの多様性は私たちの強みです。私たちはビジネス界でこのコンセプトを理解し始めていますが、海洋保護と統治においてはまだ受け入れていません。
気候危機は今や私たちの生存に脅威として広く認識されています。しかし、海洋と私たちの気候との関係はまだ過小評価されています。私たちの海洋も転換点に立っています。海洋は私たちの気候を調節し、私たちが吸う酸素の多くを供給しており、健全な海洋こそが気候危機に対する最良の防御手段であることは間違いありません。海洋は大気中の熱の90%と二酸化炭素の25%を吸収しています。
世界的なパンデミックが発生する直前、私は海洋に関する一般知識や私たちと海洋との関係を改善しようと考えました。多くの人々が海洋についてもっと学びたいと思っていますが、どこから始めればよいかわかりません。ウェブサイトや科学記事はたくさんありますが、包括的でわかりやすい情報源は一つも思いつきませんでした。そこで、私は私たちの生活が海洋にどのように影響し、相互作用するのか、すべてを探求するための総合窓口となる本の作成に取り組みました。過剰漁業や気候変動から、海洋動物の福祉や海洋と人間の健康、地域社会やジェンダー、観光、ブルーエコノミーなど、海洋の社会的側面まで扱っています。35人以上の海洋専門家の専門知識を集めています。海洋についてまだまだ学ぶべきことはたくさんありますが、私の本が私たちそれぞれが海洋惑星との関係を改善するための目的を見つける助けになることを願っています。
ファラ・オバイドゥラ(Farah Obaidullah)は海洋活動家で、Women4Oceansの創設者であり、Springerから出版された新しい書籍『海洋と私たち」(The Ocean and Us)』の編集者。theoceanandus.com